厚労省が知らないふりをするワクチン副反応発生の偶発性の検証

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アメリカでは、コロナワクチン接種後の副反応発生の偶発性は既に検証されていました。不覚にも見落としていました。アメリカの真似が大好きなはずの厚労省は、この件に関しては、なぜだか見て見ぬふりをしています。

まず、コロナワクチンと副反応との因果関係を調べる際に、アメリカVSDで用いられた分析方法を見てみます。

NHKのクローズアップ現代+、接種後死亡者の特集で、VSDが紹介されていました。一部引用してみます。

このVSDによって、ワクチンを接種した人と接種していない人を比較。死亡率や症状の発生率に差がないか、分析できるようになりました。こうしたデータを使って詳細に検証したところ、「現時点で接種と死亡との関連は認められない」としたのです。

これが放送された時、不用意にもこの解説を、私は信じてしまいました。実は、この解説は不正確でした。VSDの分析論文を見てみますと、接種群と非接種群との比較は確かに行われているようですが、論文内では偶発性の検証が重要視されています。厚労省のWebサイトにVSDの資料が掲載されています。その資料においても、記載されているのは偶発性の検証のみです。

その資料を引用してみます。

この資料では、接種群と非接種群との比較は記載されていません。記載されているのは、接種者の「接種1日後~21日後の疾患発生確率」と「接種22日後~42日後の疾患発生確率」との比較でした。この分析方法では、発生確率ではなく偶発性を検証していることになります。

さすがはアメリカと感心したのですが、一つ大きな疑問があります。

心筋炎では、12~39歳に限定した「接種0日後~7日後の疾患発生確率」の追加解析が実施されています。しかし、心筋梗塞や出血性脳卒中などの他疾患では、そのような追加解析は実施されていません。

日本の厚労省が公開したデータでは、60歳以上の接種者の心筋梗塞や出血性脳卒中の発病・死亡は、接種後7日以内に集中していました。アメリカVSDのデータでも、60歳以上での心筋梗塞などの発病・死亡は接種後7日以内に集中していることが予想されます。したがって、心筋炎以外の疾患の追加解析が実施されていないことは極めて不自然なのです。

これらの分析の元の論文を確認してみましたが、他疾患の「接種0日後~7日後の疾患発生確率」の追加解析をしなかった理由は言及されていません。「接種1日後~21日後の疾患発生確率」で有意差が認められなくても、「接種0日後~7日後の疾患発生確率」で有意差が確認される可能性はあります。どう考えても、追加解析は実施されるべきです。これは、大きな謎としか言いようがありません。

次に、日本の厚労省が行っている分析を見てみます。

厚労省の分析では、接種後の疾患発生確率と以前の疾患発生確率との比較を行っています。これは、発生確率の比較であり、意義はありますが、偶発性の検証にはなっていません。日本も、アメリカの分析方法を見習って、同様の分析を実施するべきです。

上記のグラフは、厚労省が公開しているデータよりVBAを用いて作成したものです。出血性脳卒中(脳出血、くも膜下出血など)の発症日(60歳以上)は、接種後21日以内、特に7日以内に集中しています。

追加解析するべき疾患は、接種後死亡で頻度が高い、心筋梗塞、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、心不全、大動脈解離などの疾患です。60歳以上の接種者で、「接種0日後~7日後の死亡および発症の発生確率」と「接種22日後~42日後の死亡および発症の発生確率」とを比較して、統計的有意差を調べて、その結果を厚労省は公表するべきです。

報告バイアスがあるから、そのような分析には意味がないとする考え方もあります。もし厚労省がそのように考えるのであれば、接種後1か月以内の死亡・入院の報告をすべて義務化するべきです。
あるいは、マイナンバーを用いて偶発性を検証してもよいです。どれも行わないのであれば、厚労省は国民の命と健康を守る責務を放棄したも同然だと、私は思います。