臨時国会は近来稀な、静かな国会になりそうである

この臨時国会は、淡々と進むんじゃないかな

野党の皆さんは何とかして自分たちの出番を作ろうとされるだろうが、明日から始まる臨時国会は近来稀な、凪のような静かな国会になりそうである。

会見する岸田首相 首相官邸HPより

波風を立てようとしても、岸田内閣の閣僚の皆さんは極めてソフトに対応されるだろうから、総体的にはこの臨時国会は淡々と進むだろうと思っている。

この国会でモリカケ桜を持ち出しても、大方の国民の胸には響かないだろうから、不祥事追求型の審議が得意な方々の出番はグッと減ってしまうはずだ。

外野席はそれなりに騒ぐだろうが、国会審議そのものは与党のペースで進む。

岸田さんは、野党にとっては攻めにくい相手だろうが、審議内容を深めていくためには対決型、追及型国会審議よりも対案提示型、審議内容充実型国会審議の方がいい。

ちょっと皆さんおとなし過ぎるんじゃないか、などという声が与党関係者からも野党関係者からも上がってくるかも知れないが、今はこれでいいはずである。

岸田さんは、懸案事項の殆どを自分の内閣の時代に片付けてくれた菅さんに感謝していいのかも知れない。

何の拘束力もない「慣例」などを持ち出して、必要な改革を先送りする?ーうーん、これは笑われちゃうな

国会議員の身分に関わることは、全会一致が慣例なので・・・、などと言って、臨時国会での文書通信交通滞在費に関わる法改正を見送ることにした、などという報道がなされている。

まあ、貰えるものは何でも貰いたい、というのが懐が乏しい大方の国会議員の本音だろうから、どなたか知恵のある方があえて難しい条件を付けさせて全会一致を回避し、結果的に臨時国会での改正を阻止したのだろうが、大方の国民からは笑われてしまうことを覚悟した方がいい。

全会一致の原則など、民主主義政治体制の下では本来あり得ないものである。

ただ一人の反対があっても決められない、というのであれば、一旦決まったことは事実上永遠に変えられない、ということにもなりかねない。

こういう不合理な慣例を持ち出して必要な改革を先送りしようとしている人たちは、国民から笑われて当然である。

まあ、皆さん、本気でやる気は元々なかったんでしょうね。

今は、笑われるだけで終わってしまうかも知れないが、いつまでも笑われるだけで終わり、ということにはならないかも知れない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。