コロナ新規要請者数も日本国内では横ばいで推移するようになり、12月の忘年会シーズンということもあり、飲食店の予定を入れる人が増えています。
一時は、客足が鈍って比較的予約が取りやすかった人気店も、数ヶ月先まで満席といったところが珍しくありません。中には、一年後まで全く予約が取れないお店もあります。
しかし、数か月先までずっと満席といっているお店でも、テーブル席があるような比較的大きなお店になると「裏事情」が存在します。
まず、常連さんやVIPのお客様の席を確保するため、余裕を持たせて満席としている場合があります。
予約困難店に頻繁に出かけている人は、オーナーや支配人の知り合いで、このような枠を優先的に譲ってもらえます。そうすると予約が取れないお店なのに、入れてしまうのです。これは、JRのグリーン車に、常に国会議員用の空席シートが確保されているのと同じです。
また、お店に予約のキャンセルが入った場合も、一般募集は行わず、大切なお客様に内々に連絡し、キャンセルを埋めていく場合もあります。そうなれば、外から見ると満席が続いているようにしか見えません。
一方の予約する客側にも、様々な「裏事情」があります。
例えば、予定を入れて、もし当日行けなくなってしまった場合でも、お店にキャンセル連絡はしません。
知り合いのグルメの友人に代わりに行ってもらい、その次の予約を入れてきてもらうのです。
このようにすれば、お店にキャンセルで迷惑をかける事はありませんし、また次の次の予約で来店することができます。
座席数が少ないカウンターだけのお寿司屋さんのようなお店は、キャパシティーに限界がありますから、本当に予約がぎっしりと詰まっているところも存在します。
例えば、六本木1丁目のお寿司のお店は、リピーターだけで完全に予約が埋まるようになってしまい、実質的には会員制になってしまいました。
ただし、このようなお店は極めて例外的です。
予約困難店は、常に満席に見せることによって、その価値を高めることができます。いつでも行けるのなら、ありがたみが薄れてしまいます。
だから、予約が取れない状態を維持することが、とても大切なのです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。