今週のメルマガ前半部の紹介です。先日、有力スタートアップ企業の年収が上場企業と並んだことが話題となりました。
【参考リンク】有力新興の平均年収、上場企業超えも 21年度5%増
「並んだ」といっても上場企業は年功序列で平均年齢40代ですから、そりゃ東大生もスタートアップ企業を目指しますね(苦笑)
また、GMOは新卒採用は専門性の高い高度人材のみに限定し、初任給710万円を用意するとリリースしています。
【参考リンク】GMO、新卒採用は高度人材のみ 初年度の年収710万円
華のあるニュースが出る一方で、真逆な記事もあります。
【参考リンク】「年収はたいてい半減し、300万円台に」社労士が見た”大企業の希望退職者”の再就職先
「大企業を早期退職したら年収が半減した」系の話は実際よく聞きますね。
ぽっと出の新人が700万円手にする一方で、長い職歴のあるベテランが300万円台しかもらえないケースが同じ労働市場に併存するというのは、なんだか奇妙に思えます。
普通なら職歴のある人材の方が評価されますから。
両者の違いはどこから生じているんでしょうか。また、40代以降に転職して年収が半減しないためには何をしておくべきなんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。
大企業辞めて年収半減するのは“ゼネラリスト”だから
結論から言うと、大企業を辞めて年収が半減する人は、その人がゼネラリストだからです。営業や総務とかいろいろ経験して会社のことよく知ってて社内に顔も利くけど、会社を一歩出ればごく一般的な事務作業くらいしかできないオジサンだからです。
でも、別に本人がサボってたとか不勉強だったわけではありません。会社が良かれと思ってそうさせていたんですね。
だって、会社都合で将棋の駒のごとくあちこち移すには、個性的で潰しのきかない人材より、社内に精通して潰しのきくゼネラリストの方が好都合ですから。
実際、これまでは「一芸に特化した専門職」より「会社の指示通り幅広い職務を経験したゼネラリスト」に徹することが出世の条件でした。
でも、もうルールは変わったんです。スタートアップの賃金が大手に並んだのも、オジサンが早期退職したら年収が半減するのも、根っこは全部同じ。社会がジョブ化しつつあるからなんですね。
ジョブで見れば、新人であろうが専門性があったり、リスクをとる覚悟のある高ポテンシャル人材なら700万円払うのは当然です。逆に、これといって芸の無い事務職は何年職歴があろうがジョブ的には年収300万円台が相場なわけです。
以前に「転勤や異動を断るビジネスパーソンが増えている」という話をしました。終身雇用ルールが形骸化していることが理由ですが、この「ルールの変化」に気づいて、ゼネラリストを忌避する人が増えていることも背景にあるように思いますね。
以降、
出世していない普通のサラリーマンにとっては逆にチャンス
ゼネラリスト社会の終焉
2021年末Q&A蔵出し特番
Q: 「障がい者雇用枠で働くデメリットはありますか?」
→A:「特に無いですね」
Q:「リモートワークが快適すぎて出社したくないんですが」
→A:「フルリモートの転職先を探すか帰農しましょう」
Q:「管理職になって死ぬほど後悔しています」
→A:「全面的に会社の人選ミスだと思います」
Q:「中学受験ってあれ意味あるんですかね?」
→A:「私も受験なんて高校からで十分だろと考えていた口です」
Q:「50代ですがこのまま逃げ切れますかね?」
→A:「貴殿はたぶん辞めたら年収が半減するタイプです」
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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2021年12月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。