2021年を締めくくる

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2021年が終わりましたが、皆さんは、どんな1年として振り返りをしていますか?僕にとっては、横浜市長選挙が最大の思い出であり、最高に有意義な時間でもありました。

20歳で書生(秘書見習い)として政治の世界に入り、57歳までの37年間、議員でない時代もありましたが、「社会を良くしたい」という政治家としての魂は持ち続けていました。

僕が政治の世界にいた30年間、経済は成長していませんし、議会制民主主義の進化もしていません。改善は出来るけれど改革が出来ない日本。技術で勝りビジネスで負ける、生産性が低く、「先ずやってみる」というマインドが欠如する日本。政権交代可能な二大政党制の為に導入したはずの小選挙区制は、新たな55年体制をつくってしまった。こんな社会をつくる為に政治の世界に入った訳ではないが、与党自民党に所属し、政策に関与してきた結果責任があるのです。

53歳で衆議院議員を落選し、政治の世界から遠ざかる中で、本当に申し訳ないという気持ちを持ち続けたことは事実です。その結果責任を負う中で、僕に出来ることはないだろうか?総理になって日本全体を変革することは出来なくても、僕が育った横浜で、自分の描いたモデルを作り上げることは出来ないか、その思いで横浜市長選挙にチャレンジする決心をしたのです。ご存じの通り、結果は落選です。

成長していない30年と言うと「成長している」と言う人もいます。成長を絶対値で見れば、確かに以前の日本より成長しています。しかし、相対値で見れば、他の先進国は大きく成長しているのです。

横浜市長選挙で僕を支えた20歳代の若者たちは、成長を実感したことがないのです。だから、今の日本が普通で疑問を感じていない人もいるのです。そんな中で、「これまでの政治の枠組みでは、成長しない30年が、40年、50年となり、日本の未来が無くなる」と言って、政治家を目指そうとする20代、30代が、僕の周りに産まれてきていることに期待をしたいと思っているのです。

いばらの道になろうとも、歩みを止めず、仲間をつくり、思いを持ち続ければ、時代は必ず変わる。僕自身「よそ者、ばか者、わか者」が時代を社会を変えると、もう一度、信じてみたいのです。

一方でデジタルネイティブが本格的に社会に踏み出す時期が近づいています。12歳の女の子に「ゲームは遊ぶものでなく、つくるものよ」と言われました。iphoneを持ち、appleウオッチを身に着け、MacbookProでアプリをつくる。調べ物はいきなりGoogle検索せず、先ずは自分で考えて、自分の考えが正しいかどうか、答え合わせをするために検索する。そのデジタルネイティブは10年で社会人となるのです。

社会が、企業がデジタルネイティブに合わせるのか、デジタルネイティブが社会に合わせるのか?10年後、デジタルネイティブが社会に合わせるようであれば、日本は先進国足りえない。果たしてどうなるのだろうか?

2021年8月、横浜市長選挙で僕がやろうとした事は、10年後、デジタルネイティブが社会に出てきた時に、違和感なく社会で活躍できる場を横浜でつくる事でした。今は無理でも、日本全体が、デジタルネイティブが活躍できる環境をつくることが、何より大切です。この30年の結果責任を50代、60代の現役世代がどのように総括し、反省し、今後何を成し遂げるのか、2022年はそんな視点で、僕らの世代を、社会を見て欲しいと思います。

悲観は意味がありません。何も出来ていなくても、ここまでやれたのだから、デジタルネイティブが活躍できる社会を構築出来れば、日本の未来は明るいのです。2022年大切な年になります。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2021年12月31日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。