菅政権の弱点だったエネルギー・原発政策に転換はあるか?

EUが原発を「グリーンなエネルギー」認定へ

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

急激な脱炭素への流れから、足元の電力不足で大きく揺り戻しが起きている欧州で年明け早々に新たな動きが起きています。

脱炭素に貢献するエネルギーを「持続可能・グリーン」と認定して投資マネーを呼び込みやすくし、そうでないものを排他していく施策を進める世界各国ですが、台所事情によって変化が起きつつあります。

予め申し上げておくと、私は再生可能・自然エネルギーの促進には大いに賛成の立場です。

しかしながら、急進的かつ観念的な脱炭素・再生可能エネルギーの活用はあまりにも大きな歪みを生み出し、経済的ダメージは計り知れないものになります。

科学技術のイノベーションによって再生可能エネルギーの可能性を広げつつ、当面は使える低炭素の火力や天然ガス・一部の原発を併用していく。

欧米のパワーゲームである「世界の潮流」に振り回され過ぎないことが重要なのではないでしょうか。

その点、このエネルギー政策は菅政権の弱点・アキレス腱とも言える部分でした。

福島第一原発の処理水を放出する決断をしたのは大きな前進であったものの、小泉進次郎・河野太郎氏という脱原発・再生可能エネルギー推進の双頭が閣内で影響力を持っていたため、エネルギー政策には大きな偏りが生じていました。

特に小泉進次郎前環境大臣の「前のめり」についてはご承知の通りで、菅政権が脱炭素・カーボンニュートラルに高い目標を掲げたことは是とするものの、あまりにも欧州や世界トレンドに追随するその姿勢には不安を覚えていた方も少なくないはずです。

そこで起きた政権交代。ある意味で岸田内閣は、ある程度このエネルギー政策を「見直す」ことができるチャンスを手にしているわけです。

もちろんすべてをリセットすることができないものの、欧州で大きな変化が起きつつあるこの機会に我が国の政策担当者も変わった。これは奇貨と捉えるべきでしょう。

今月から始まる通常国会で、この再生可能エネルギーや原発を巡るエネルギー政策は、大きな争点の一つとなるはずです。

維新はこれまでも一部の原発を厳格に再稼働させるための「原発改革推進法案」を議員立法で提出し、既存原発をフェードアウトするための積極的な新型原子炉への研究投資を提言してきました。

政府与党に対して、本年も建設的な対案・政策提言を行っていけるよう準備をしっかりと進めてまいります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年1月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。