イタリア・ドラギ政権、EU外からの移民7万人の受け入れ容認

地中海で救助された移民がシチリアに到着
ABC INTERNACIONAL

昨年2月にイタリアの首相に就任したマリオ・ドラギ氏は昨年末12月29日、EU加盟国以外の国からの移民7万人を受け入れる特例に署名した。労働人口の減少を補うための対策である。対象になる国はアジア、アフリカ、東欧からの移民としている。その中でもアルバニア、アルジェリア、バングラデシュ、韓国、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コートジボワール、エジプトといった国とはこれまでにイタリアは協力協定を結んでいた。

この特例では2万人を建設業や観光業に関係した運送業で雇用を見込んでいる。同様に建設業界のリーダーWe Buildが政府に建設業界で10万人の雇用が必要であると伝えていたことも今回の移民受け入れの決定に繋がったものだ。

何しろ、2015年から数えて現在までイタリアの人口は43万6000人の減少となっている。将来的に労働力の減少に結び付く危険性があるということである。

その一方で、イタリア沿岸に辿り着く不法移民は毎年のように増加している。今年1月から12月29日までに6万6482人の不法移民がイタリア沿岸に密入国しようといた。昨年はその数は3万4134人、2019年だと1万1439人と統計されている。

今年一番多いのはチュニジア人の1万5477人、その次にエジプト人の8135人、3番目にベンガリ人の7656人となっている。

ところが、彼らの受け入れ国として名乗りを上げたのはルクセンブルゴ、ポルトガル、アイルランドの僅か3か国だけである。それでもその数は少なく昨年だと2028人がこの3ヶ国の分担された。今年はまだ164人だけが受け入れられていない。何れにせよ、その大半をイタリアが受け入れねばならないことになるのは負担が大きいとしてEUに協力を要請している。

その一方でイタリアは労働人口減少を懸念して大量の移民の受け入れる計画をしていた。当初その数を8万人としていたが、マテオ・サルビニが党首を務める同盟がそれは多すぎとして7万人で合意したもの。(以上12月30日付「ABC」から引用

イタリアと同じように多くの不法移民が漂着しているのがスペインであるが、サンチェス首相政府には今のところこのような積極的プランはない。それも背景に企業が積極的に移民の受け入れを政府に要求しないからである。