コロナ3年目、楽観の中での別の懸念

コロナとのお付き合いもいよいよ3年目を迎えようとしています。オミクロン株は感染者数では急増していますが重症化しにくいことから過去の変異株の時に比べ世界的に緊張感が緩い状況となっています。人々にも「またか」という気持ちが強くなり、危機意識はかなり薄いというのが実態ではないでしょうか?

kyonntra/iStock

私が住むコンドミニアムの管理組合からも「エレベーターは一家族まで」「建物内の共有部ではマスク着用」「ジムの同時使用は一家族まで」という通達が廻ってきました。私の住むところは75室で2台のエレベーターですからまだ待てるものの50階建て500戸入っているマンションでもエレベーターが3台ぐらいしかないところも多く「エレベーターは一家族まで」などとなれば下層階の人は永遠にエレベーターに乗れない悪夢が再びやってきます。

今回のホリディーシーズンは暦の並び的に休みが長かったこともあり、出かけようとする人たちとオミクロンが怖いという人たちに分離した感じでした。ただ、私が何度か飲食店を訪れた感じでは友達同士で騒ぐグループはあまり見かけず、ほとんどが家族と食事をしているという状況でした。その点からすると日本の方がはるかに緩そうに見えます。

医者や研究者ではない私がオミクロン株をどうこう言うのはいけないことだと思っています。しかし、多くのメディアを通じて聞こえてくる専門家の声を総合的に判断するとやっぱり重症化しにくいというのが主流です。私もずっと弱毒化しているとか、「広く薄く」といった表現をしていたと思います。もちろん、疾患を持っている人にはオミクロンが悪さをして重篤化させるのだろうと思いますが、健康体の多くの人はかかっていることすら気が付いていないとみています。

日本、アメリカ、英国などではPCR検査を無料で行い、「自己チェック」をする動きもありますが、これは処理能力数もありますが、そもそもやろうというモチベーションがない人が半数以上ではないかと思います。そのモチベーションがない人ほどかかりやすい行動に出ているはずで日本でも数字で出ている感染者数は氷山の一角で実際にはその数倍あってもおかしくないとみています。

それらの状況から見ると報道の基準が実態とかけ離れている可能性のある感染者数ではなく、入院患者数とか重症者数に変えていくべきなのですが、マスコミは誰一人それを実行しようとはしません。これは洋の東西を問わずです。アメリカのファウチ博士(大統領首席医療顧問)もカナダの国営放送CBCでも同様の主張はしていますが、人々のメジャメントの基準を変えるのはなかなか大変だということでしょう。

個人的にはコロナはそろそろ終わるのだろうと楽観視しています。ウィルスという生物体が存続できる最適解が何度かの変異の結果、弱毒化であったわけで人間との共存なのですが、人間社会は更にワクチンという予防や経口薬のような対処療法が進んでウィルスが存続維持できなくなるのが生物界の原理原則だと思っています。研究者や専門家は非常に深い分野での分析を進めていますが、5歩ぐらい後ろに下がってなぜ、そういう動きをするのだろうと考えると案外、全体像が見えてくると思っています。

一方、日本は非常に潔癖、清潔好き、保守的、外モノ嫌いです。コロナが爆発的流行をしていた時、日本の病床ひっ迫も「世界一のベッド数の日本でなぜ?」というテーマで無数に議論されていましたが、私から見れば病院が「外モノ嫌い」だった文化的要素が強かったと思っています。同様に岸田首相の鎖国政策も「外モノ嫌い」からきています。

事実、今でも海外からの帰国者が感染菌を持ち帰っているという報道が目につき、1日100人以上見つかっている状態です。現在の規制の期限である1月末に日本が再開国するとは私はにわかには信じられません。首相は3連休明けに判断すると述べていますが、一般的にはあと1か月延長して様子を見るというのが正解でしょう。

海外ではオミクロン感染で経済や社会そのものが廻らなくなってきています。どれだけ重症化しないとしても感染は感染なのでわかった瞬間に隔離です。これがパイロット、病院関係者に始まり、あらゆる業種のあらゆるポジションに広がっています。アメリカのオースティン国防長官も陽性となり、公務に若干の影響が出るとされています。

つまり、感染=隔離=業務に穴=ただでさえ人不足=サービスや業務の中断という流れが最大の懸念ではないかとみています。これが経済に与える影響は思った以上に深刻でモノが流れない、コスト高の要因、サービスの一部中断など様々な形が予想されます。

こう見るとコロナとの戦いは3年目に入った今、次元が変わってきたという気がします。かつての医療体制のとの戦い、ワクチン戦争から人々のパーセプションや行動規範です。これは思った以上に時間がかかるかもしれない、そんな気もします。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年1月5日の記事より転載させていただきました。