政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は、変異株「オミクロン株」対応について「人流抑制より人数制限」と発言しました。
これに対して、知事たちが反論。小池百合子都知事も、21日の会見で、尾身氏のこの発言に対し、「人流と、人と接触する機会の削減が重要。不要不急の都道府県間の移動自粛は(政府の)基本的対処方針に書かれている。そこは政府と分科会もしくは尾身先生の方で詰めていただきたい」と述べました。
これに対し、尾身氏はあっさり自身の「人流抑制より人数制限」という発言を陳謝しました。
平井伸治全国知事会長(鳥取県知事)は、この尾身氏の発言に対し、国民の感染対策が緩みかねないと指摘しました。
知事会は21日の会合で、新型コロナ対策の基本的対処方針について、オミクロン株の特性を踏まえた内容に見直すよう求めるように政府への要請文書を取りまとめた。
知事たちは責められたくない一心で反論しているようにも見えます。また、尾身氏は感染症の専門家として発言したはずなのに、なぜ知事たちに反論されると撤回するのでしょうか。
もはや専門家や専門性というよりも、責任のボールを手元に置いて置きたくないようだけに見えます。
■
尾身氏がせっかく制限を緩めたのに、知事会が押し返してしまったという指摘。
尾身会長がやっとまともになったのに、自分の県の事情で知事が尾身会長を批判するのはあまりに見識が足りない。オミクロン株で「ステイホームしろ」なんて、県トップが言うのが信じられない。https://t.co/Kt37ELyPAJ
— Tsukasa Shirakawa(白川司) (@lingualandjp) January 20, 2022
専門家会議も知事会も、五十歩百歩だという指摘も。
オミさんも小池さんも、どちらも特に根拠あること言ってるわけではないので、キツネとタヌキの化かし合いみたいなもん。
https://t.co/tuH4ouc4RG— 青山 まさゆき (@my_fc1) January 21, 2022
いつかの日本に似ているという感想も。
新型コロナウイルス オミクロン株対策。
まるで大戦末期みたい。
尾身さんは、マンボウ効果なしとして、対策のフェーズを変えたいとして、叩かれ、知事会は、マンボウ効果なしと知りつつ、相変わらず、竹槍作戦に固執する、という、チグハグぶり。— 笹山登生 (@keyaki1117) January 21, 2022
小池都知事は、日によって発言が180度変わることが指摘されています。
【小池知事の言説検証】
1/13 維新、厚労省に5類引下げ申入れ。すると小池氏も記者団に5類変更に言及
1/14 小池氏会見で「感染を止める。社会は止めない」
1/17 東京都主導でまん延防止等重点措置を要請
1/19 小池氏、不要不急の外出・都道府県間移動自粛呼びかけ
1/21 尾身会長の人流抑制不要論を批判— 楊井人文 Yanai Hitofumi (@yanai_factcheck) January 23, 2022
小池知事は、2021年8月のオリンピックのときは、尾身氏の慎重論を一蹴していました。
医療が崩壊して妊婦が搬送されず、赤ちゃんが死亡してるというのに何を言ってるのか。
小池知事 尾身氏の慎重論を一蹴「尾身会長からは、オリンピックの際も、同様のご指摘頂いたが、安全、安心な大会としてやり切った」。尾身氏の指摘は当たらないとの考えを示した。 https://t.co/02lXIQvail
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) August 20, 2021
日本が平常モードに戻ることはないのでしょうか。