年金が0.4%引き下げされてプンプンお怒りの皆さまへ

永江 一石

takasuu/iStock

2022年度の年金支給額を0.4%引き下げ 2年連続減

このニュースに主に左系のみなさんがSNSで「保険料を払っているのに切り下げるのはひどい」とお怒りであります。みなさん、どうも日本の年金の状況をご存じない? 本日は経済の素人の私が、どうして年金はこれからも減っていくのかについて簡単に説明したいと思います。これくらいはググればすぐ分かる話ではあります。

最初に言っておきますがわたしは自民党も野党も支持しません。これだけ長い年月の間、ほとんど年金システムを放置していたのは与野党の責任です。野党なんてさらに年金を上げろとか物理的に不可能なことまで言っています。

年金受給者が膨れあがってるから年金が破綻しそうなのだ

まず初歩から。

今、日本では年金を貰っている人が何人いるか知ってますか?

これでも2018年ですよ。

なんと4000万人!! 3人に1人です

年金は積み立てした物をもらうのではありません。そう考えているから理解できない。

積み立てから払い戻すならこんなにたくさん年金は出ません!! 下の世代から強制的に徴収したお金を配布しているからみんなに出せるのです。しかもこの制度はどんどん人口が増えて下の世代が高齢者よりもずっとたくさんいるときに設計されたので、いまのように人口が減っていくことは想定されていません!!

ところが現実は、少子化対策をなにもしないでいたらこうなりました。

年金制度は早く生まれた方が圧倒的に得をする狂った仕組みです。

Huffington Postより引用

1945年生まれは払った額の4.3倍も厚生年金がもらえる・・積み立てならあり得ない数字
1995年生まれはたったの2.3倍

つまり、いまの現役は自分より2倍ももらえる高齢者のために、給料から30%(半分は会社負担だが本来は給料として支払われる)も引かれています。今の高齢者は上の世代が非常に少なかったので年金はごく少額しか払っていなかったのです。

年金受給額の「世代間格差は6000万円」…1965年生まれが損得の“境”

年金受給額の「世代間格差は6000万円」…1965年生まれが損得の“境”(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース
年金制度には大きな世代間格差が存在する。「親が年金をもらえば、子供は親の老後の面倒を見る必要がないから、子供も年金制度から利益を得ている」という主張も存在するが、果たしてそれは正当だろうか。前日銀副

早く生まれた人ほど得をし、遅く生まれた人ほど損をするというのは、まるでマルチじゃないですか!!

ですからいまのままでは政府は国家が破綻する前に年金を減額するしかないのですが、高齢者は票田だから政府はほとんど動けず、どんどん負債が増しています。しかし近いうちに制度破綻するときが必ず来るので、そのときには一気に減額されるはずです。老後のためには資産運用が必要というのはこういうことです。

どうすれば年金制度をもまともにできるか

しかし、現役から強制的に30%も徴収しようが、

14兆円不足です!!!

受給者は増えているのに加入者は人口減で減っています!! ずっとおなじだけ年金が支払われるわけがないじゃないですか。

支給額と比較して徴収額がどんどん減っているわけで、これを解消するなら単純計算で
年金を30%カットするとトントンになります!!

https://twitter.com/mirai_youme/status/1485595594253303812?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1485634188426776577%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es2_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.landerblue.co.jp%2F56734%2F

という方には喜んで返す。だって預かった保険料の2倍以上払わないといけないのだから返してしまって年金制度から離脱してもらうほうが国は嬉しい。返してもらったお金を個人で投資するとかして老後に備えてください。できる人はできるでしょう。失敗したら野垂れ死んで貰う。

消費税を上げて年金不足分をカバーするには・・

消費税の税収は10%で21兆円くらいですので、不足分の14兆円を消費税でカバーするにはざっくりと消費税率17%にすると解消します。このあとまだ年金受給者が増えればさらに上がります。現役の負担は今と同じで給料から天引き30%です。なのでさらに消費税7%の出費が嵩みますがいままでのように勝手にどんどん保険料が上げられることはなくなる。保険料は法改正なしであげられるのでこのままでは給料の半分くらい持って行かれる日が必ず来ます。

消費税は高齢者も負担せざるを得ないので、年金という国家の仕組みを数少ない現役にのみ負担させるのではなく、本来は国民全員で負担すべきという考え方ならコレが正しい。いまや弱者は高齢者ではなく若者なのです!

もっと良い方法。実は私は、これが一番公平だと思うのですが、給料から30%も引かれる保険料もやめてすべて消費税で賄う方式です。年代差の不公平がなくなります。荒っぽい計算で消費税を25%くらいにするとOK。つまり北欧方式です。現役は給料から手取りが30%増えて消費税の増額分よりはるかにたくさんのお金を使うことができるので、生活はとても楽になります。

高齢者の方はいまと同じだけの年金が欲しければ、あなたは年金をたいして払っていなかったので消費税を負担してくださいということなので、正論だと思います。高齢者が反対するのはわかるのですが、現役でコレを言うと「増税などけしからん」という人が湧いてくるのは本当に謎。健康保険料とか年金とか払ってない人たちですかね。

年金の規模はとてつもない。節約でなんとかできない

よく、「年金を減らさないために国のいろいろなムダを無くせ」という人がいます。規模感がわかっていません。

もちろんムダはどんどん削るべきですが、一番のムダは高齢者の健康保険料の延命処置や払った額に応じない年金の大盤振る舞いではないですか。お父さんの収入が20万円しかないのにおばあちゃんは病院で1日2万円の個室に入れ、足りない分はカードローンで借りまくり。もっと節約をとおかずを一品減らすよりおばあちゃんに個室から出てもらうほうが先でしょう。

まずは国会の歳費を削れ?

国会の予算は衆議院700億、参議院の予算が400億円ですから、交通費や議員歳費を削るどころか国会を全部なくしても年金不足分の0.7%です!!!

自衛隊をなくして年金にしろ?

自衛隊なんていらん!! あんなものがあるから戦争になるのだ。自衛隊なくして年金に回せ!!
と言う方。自衛隊の予算は5兆円くらいですので、自衛隊なくしても年金不足分の1/3しか賄えません!!!

ここまででいかにいまの年金制度が巨大で、かつめちゃくちゃで、払った額の何倍も下の世代から吸い上げて高齢者に配り、足りない分は国が借金して回すというむちゃくちゃを先送りにしてやってきたかがわかりますよね。年金制度の足りない分って物凄くでかいのです。

足りない分はどんどん国債を発行しろ

いままではそうしてきました。で、いまや国の借金は1000兆円を超えました。国がお札を刷りまくってばら撒けば良いというMMTという馬鹿げた経済論がありますが、実際には政府は国債を発行しまくって高齢者に年金という形でお金を配ってきたので、同じ事をして来たわけです。しかし1000億円配っても全く景気には関係なかったですわ。ww

しかしこの「国債発行して未来にツケを回す」方式は、金利がゼロに等しくデフレだったこと。日本という国がまだまだ世界的信用と国力があったからできたわけです。いま、世界先進各国は日本と違いコロナごときで閉じこもるようなことをせずにガンガン経済を回しはじめ、世界的なスーパーインフレのはじまりです。逆に日本はG7からも滑り落ちるほどの経済低迷。いまやMMTを高らかに言うヤツはバカなんかということで最近はだいぶ静かになりました。「インフレになったらどうするんだ」「そのときは税金をあげてインフレを止める」みたいな国内だけを考えている時代じゃないって事ですよ。

ということは、いままでどおりに国債をバカバカ発行していたらインフレの金利上昇で国の予算の大半が国債の金利支払いに充てられることになります。また国際的な信用もどんどん無くなっていきます。アホみたいに借金できた時代は世界的なインフレと共に終わりを告げます。

結論になりますが、年金は必ず支給額が引き下げられます。そのときの政府は失権するでしょうが、払えない物は払えない。だって収入がないのにどうやって支給するの? 国土でも売りますか? と開き直るかもしれない。そしてそれは遠くない。お金はもらうものとか考えていないでお金は稼ぐものと頭を切り替えられた人だけが生き残る時代になると思うんですよ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年1月25日の記事より転載させていただきました。