血税5億円を無駄にした「世田谷モデル」の大失敗に懲りず、年明けから4億円を浪費した無料検査キットのバラ撒きは、検査が滞っている医療現場などから猛反発を喰らい、駅頭で行列したのに貰えなかった人々からも大ブーイングが巻き起こり、散々な結果に終わったことは、すでに報告した(コチラ)。
さてさて、はたまた保坂区長がひらめいた次なる施策とは何か?
バスである。ただのバスではない、PCR検査専用のバスである。1日300人を検査できる優れもので、都内で初の試みだそうな。
東京 世田谷区 感染急拡大で臨時PCR検査車両を設置へ|NHK 首都圏のニュース https://t.co/mTxRLl8u6T PCR検査の需要が急増していることから、医療機関などの負担を少しでも減らそうと、東京・世田谷区は新たに特別な車両を活用した臨時の検査会場を設置することになりました。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) February 4, 2022
ほほう。一見すると新味がありそうに思うが、そこは保坂区長、やはり本質は何ら変わっていない。
まず、いつものことながら、世田谷区民なら誰もが検査を受けられるというわけではない。区が発表した内容によると、対象者は「無症状の世田谷区民」がまず絶対条件である。やはり、無症状ですな。
そして、① バラ撒いた無料抗原検査キットで陽性疑いとなった人、② 都の無料PCR検査などで陽性疑いとなった人、③ 市販の抗原検査キットで陽性疑いとなった人、のいずれかである。該当する人は、まずコールセンターに電話して予約しなければならない。しかも保険適用で有料である。さらに、設置場所は上用賀公園の拡張用地なのだが、広い世田谷区。近隣の住民以外で、ここまで行く人は、果たしてどれくらいいるのだろうか。
世田谷区長に聞く! 区のコロナ対策の現状は…(TOKYO MX)https://t.co/7nodQLU6sy 東京・世田谷区は2022年度予算案を発表しました。都内で最も人口が多い世田谷区の新型コロナ対策について、世田谷区の保坂展人区長に話を聞きました。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) February 10, 2022
保坂区長はMXテレビのインタビューで、この検査バスについて「ニーズは間違いなくある」と自信満々に答えているのだが、当方の調べでは1日の利用者は10人未満である。もちろん、区長はインタビューで明らかにしていない。
1億円の血税を散財しておきながら、1日10人も来ないとなると、さすがにまずいだろう。関係者の誰もがそう思ったに違いない。
後日、役所は慌てて対象者を拡大。① 陽性者が発生した保育園等の保育施設で、濃厚接触者となった無症状で区内在住者の園児および職員。② 陽性者が発生した高齢者・障害者施設で、濃厚接触者となった無症状で区内在住者の利用者および職員、の2つをしれっと追加した。
無症状者への検査は保坂区長の信仰である。だから、もう徒労とは分かっているし、何度も言ってきたせいで、口の中が酸っぱくて口内炎に沁みるのだが、必要なことは有症状者への検査である。なぜ対象者に含めないのか問う気力すらないが、あまりにも頑なである。
オミクロン株は高齢者施設で多く広がっているとのことだが、本当ならば、今こそ「世田谷モデル」を実施すべきだとすら思うのだが、もはや話はあべこべであり、我々の税金だけが浪費されていく。
気力を奮い起こして、続きは、本会議場で。