”美術館でイヴ・サン=ローラン”展。4つ目の訪問は、パリのピカソ美術館。
画家たちからたくさん影響を受けたサン=ローラン。中でもピカソの影響力は膨大で、この美術館が展覧会会場の一つになるのは納得。
ピカソの絵画3点と、そこから生まれた4点のクチュール作品。
ヴァイオリンの絵画から生まれたベスト2点、デフォルメ具合が楽しい。
ヌーシュ・エリュアールのポートレートから生まれたベスト、再現度とクチュールとしての完成度、素晴らしい。このベストが好き~、という友人をよく見ると、ほぼ同じデザインのコート着てる(笑)。
私は、縞模様帽子の女から生まれたカクテルドレスが好み。スパンコールで紡いだ絵画デザインと、サテンとビロードのニュアンス異なる黒のコントラストがとっても素敵。
サン=ローランの後、他のピカソ作品をぶらぶら見てると、ヴァロリスやカンヌに行きたくなる。南仏、恋しすぎる・・・。
閉館後、”美術館でイヴ・サン=ローラン展”テーマのカンファレンスへ。これがとても興味深い内容!
- 二人とも、18歳でパリに来て、アフリカアートに大きな興味持ってた。
- サン=ローランの自宅は、ピカソやマティス、セザンヌなどの絵画が壁を覆っていて、絵画に囲まれていつもデッサンしていた。
- 二人とも、デッサンが大好きで、何にでも鉛筆やクレヨン走らせて膨大なデッサンを残した。(映像資料に出てきた、ピカソが描いたディアギレフやバクストのデッサン。映像のものはピカソ美術館所蔵品だけど、シリーズで何枚かあって、そのうち一枚は、サン=ローランが持ってた。彼が亡くなった後、ピエール・ベルジェはサン=ローランのコレクションをオークションにかけたのだけど、内覧会はそのまま美術展のレベルで、圧巻の展示だった。そこに、このシリーズのデッサンがあって、とっても気に入った。小品デッサン、想定価格は全財産をかき集めればなんとかなるかも、というものだったけど、当然実質価格は数倍になったのでしょうね(笑)。)
- 二人は会ったことはなかったが、サン=ローランは、パロマ・ピカソと親友だった。
- 二人とも”コレクター”だった。
- オルセー展示作品は、”失われた時を求めて”の登場人物のイメージにつながる。アルベルティヌは自転車乗ったりするおてんばちゃんだし、シャルルはどこかしらフェミニンなところがある。
楽しいカンファレンス。まだ見てない展覧会は早く行きたいし、すでに見た展覧会ももう一度見たくなるね。
帰りがけ、美術館裏にあるピンク・フラミンゴで(久しぶり~)、ビオピッツア&イタリアのオレンジワイン味わって、ソワレ終了。
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編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年2月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。