岸田さんにとって獅子身中の虫になりそうな高市早苗さん
このところ高市早苗さんの攻勢が目立つが、岸田さんは内心苦虫を潰しているのではないか。
岸田内閣の中で岸田さんが最も頼りにしているのは林芳正外務大臣だろうから、高市さんの林芳正外務大臣攻撃は事実上自分に対する攻撃だと思ってもおかしくない。
多分、高市早苗さんは腹を括ってやっているはずだ。
自民党の政調会長というポストをここまで存分に活用して自分の存在をアピールしている人は、他にいないはずである。
岸田さんは自民党総裁以外の党役員の任期を1年にするということを公約に掲げて総裁選に勝利した人だから、いずれ具体的にこれを形にするはずだ。
岸田さんにとって高市早苗さんがかなり面倒な存在になっていることは間違いない。
他人の言葉をよく聞く総理ということで定評のある岸田さんだが、人事については結構ご自分の思い通りにやる人のようだ。
さて、どういうことになるのかな。
流動化し始めた自民党の派閥
麻生派の内部がグチャグチャになっている、という話が流れてきたが、どうやら麻生さんも派内をコントロールできないようだ。
多分菅派の設立に向けた動きの一つだろうが、麻生派に属している幹部クラスの人が何人か麻生派を抜けるようである。
2年半後の自民党総裁選を意識して、皆さん、動き出したようだ。
まあ、麻生さんも二階さんも次の衆議院選挙には立候補されないだろうから、派閥の領袖の交替が必至な派閥の内部で何が起こっても不思議ではない。
菅さんの求心力がなくなっているわけではないから、菅さんを核にして新しい派閥を作ろうという動きが本格化しても何の不思議もない。
政治は、最後は数である。
これまでどこの派閥にも所属せず無所属を標榜していた人も、この際新しい派閥に入られたら如何か。
岸田さんにとって今はスッキリはしないが、ガッカリはしないでいいのだろう
岸田内閣の支持率がここに来て数パーセント急落したようだが、オミクロン株に対する備えがかなり疎かになっていたことが明らかで、コロナ感染者の数が高止まりしている現状では止むを得ないだろう。
第3回目のワクチン接種をもっと早く進めておくべきだったという話が専門家の皆さんから出ている以上は、岸田さんに批判の矛先が向けられてしまうのは仕方がない。
ここは、黙ってあらゆる批判を受け容れることである。
それでも、なお岸田内閣に対する支持率は高く、国会の審議も順調に進んでいるようだ。
令和4年度の予算案は21日に衆議院の予算員会で可決され、翌22日には衆議院の本会議で採決されるようだ。
決して爽快な毎日ではないだろうが、岸田内閣は、今、泥沼の道を歩んでいるわけではない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2022年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。