新興国投資を結果論で語るのは「投資家」ではなく「評論家」

日本国内の金利が異常な低水準にとどまっている理由の1つは、資金が潤沢に溢れているのに、投資対象が見つからず、国内での円の使い道がないからです。

逆に、新興国の金利や投資の期待リターンが高いのは、信用リスクもありますが、資金需要が強く成長のための資金を求めているからです。

alexsl/iStock

個人投資家の役割の1つは、このように資金が余っているところから資金を必要としているところにお金を循環させる「運び屋」になることです。

私は、新興国の不動産投資も国内と同様に積極的に行っています。

例えば、来月にはカンボジアの首都プノンペンに、2年前に購入した超高層のコンドミニアム「JタワーⅡ」が完成します(画像をブログで見る)。これは、谷俊二さんという日本人が手がけた高いクオリティの物件です。納期をしっかり守っているのもジャパンクオリティで素晴らしいです。

新興国投資には、当然のことながら大きなリスクがあります。

ロシアのウクライナ侵攻でも、新興国投資のリスクを再確認することになりました。

今回残念だったのは、SNSでウクライナの件を持ち出して新興国投資の批判をしている「専門家」がいたことです。後出しじゃんけんで語るのは、投資家ではなく、ただの評論家。私が一番苦手な人たちです。

投資家には、目の前にある現実だけでなく、その先にある未来も見据えることが求められます。ウクライナに対するロシアの蛮行は、投資家の本質も知ることができるリトマス試験紙にもなることを実感しました。

3月からは海外からの帰国時の隔離期間の緩和が行われ、ワクチンを3回接種していると、自宅での3日間あるいは隔離期間なしになるようです。海外へのハードルが下がったら、スタディツアーで新興国に出かけるのを、今から楽しみにしています。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。