日本政府、ウクライナに自衛隊備品の提供を決断

共産党も容認に転じた「防衛備品移転三原則」とは

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

岸田総理が、防弾チョッキやヘルメット、医薬品などの自衛隊備品をウクライナに提供することを正式発表されました。

ウクライナへ防衛装備品供与を検討…政府、防弾チョッキなど提供案
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220303-OYT1T50362/

上記の読売新聞議事でも触れている通り、交戦中の当事者国に自衛隊備品が提供されるのは極めて異例のことです。

これは「防衛装備移転三原則」に基づいて行われるもので、2014年に安倍政権化で閣議決定された原則です。

ざっくり説明すると、

1.紛争当事者国や国連安保理決議に違反する場合は、移転を認めない
2.平和貢献や国際協力に資する、日本の安全保障に資する場合は移転を認める
3.移転先による適正管理を義務付ける

というもの。(参考1 参考2

原則の1番から、紛争当事国への装備品提供は難しいと思われていたわけですが、今回のケースでは国連安保理決議の対象外であるし、そもそも「侵攻されている」側は当事者国に当たらないと判断できるようです。

初動の制裁については遅れたものの、難民受け入れの人道支援に続き自衛隊装備品の提供に踏み切った岸田総理の決断については高く評価されるのではないかと思います。

注目すべきは、この自衛隊装備品の提供という判断に対して、現時点で共産党が反対姿勢を示していないことです。

共産党は2014年にこの「防衛装備移転三原則」が閣議決定して以来、武器輸出の事実上の緩和だ、憲法理念の廃棄だ」として激しく批判をしてきました(赤旗記事参照)。

それが今回、ウクライナとロシア侵略の現状に際して方針転換。

共産党と私の立場は大きく異なりますが、自らの主張をPRするために決議案にすら反対して全会一致を阻んだ政党に比べると、今回の行動には公党としての責任感を感じます。

「当たり前のことを言っているだけなのに、評価されるのはおかしい」
「そもそも、自衛隊すら違憲としてきたこれまでの態度と矛盾するではないか」

という厳しい声もあるようですが、是々非々で今回の対応に対して私は敬意を評したいと思います。(私に評されても嬉しくないでしょうけども)

おそらく今回限りの例外とはいえ、共産党すら理念・信念を変更した。

それほどロシアの「力による現状変更」は、国際秩序や従来の価値観を揺るがしつつあります

こうした国際社会・安全保障の現実に立脚した安全保障政策に転換できるよう、この自衛隊備品の提供を契機に我が国も大きく舵を切って行かなければなりません。

動画でもコメントしました

引き続き状況に注視するとともに、政策提言を続けて参ります。

日本維新の会の緊急提言はこちらから。
https://o-ishin.jp/news/2022/images/e7d0f52e2b3d7070d0977e20866d231a9b05ba09.pdf

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年3月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。