ウクライナへ防衛装備品供与を検討…政府、防弾チョッキなど提供案
政府がウクライナに対し、防衛装備品の供与を検討していることがわかった。4日にも国家安全保障会議(NSC)を開いて協議する。防弾チョッキなどを提供する案が浮上している。武力攻撃を受けている国への装備品の供与は異例だ。
政府は「防衛装備移転3原則」に基づいて装備品の供与の可否を判断している。3原則が装備品の供与を禁止する「紛争当事国」は、「国連安全保障理事会が措置をとっている国」と定義されており、政府関係者は「ウクライナは対象外だ」と説明している。
「防衛装備移転3原則」の基準ならばアウトですよ。誰だよ、対象外だ、なんていっている「政府関係者」って。
NSCは「火の出る玩具」じゃなければいいと思っているのでしょう。防弾ベストならば「武器」ではない、守るだけだと。
それとNSCは我が自衛隊装備は世界レベルと思っているのでしょう。そうじゃなければ、あんな防弾ベストとか提供しようとはいわないでしょう。プレートにして規格が日本独自で使い勝手悪いし、防弾性能も低いという話を聞いています。何しろ鉄帽だって、弾が当たったら5センチ凹みます。貫通しないから大丈夫という理屈なんだろうけど、あんたの頭蓋骨が数センチ凹んで大丈夫かよ?
せっかく送っても使用されないで廃棄される可能性もあります。まあ、これも機会だから実戦に使用して頂いて、どれだけ役に立つか「証明」するのもいいでしょう。
日本の装備マンセーという人たちは、2千発も撃てばクラックが入る拳銃とか、東日本大震災で一度も飛ばなかったUAVとかどう思っているのでしょう。
FH-70とか、小火器の類ならば操作を覚えるのは大変ではないでしょうから、廃棄するより送った方が、コストが安く処分できるかと。OH-1とか全機差し上げて、民間の軽ヘリでも調達してはどうでしょうか。
それとも我が国が誇る「最先端無人ヘリ」FFRSとか、FFOSとか全部供与してはどうでしょうか。厄介払いができてよろしいのではないでしょうか。
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European Security & Defence誌 2月号に寄稿しました。(Japan’s Defence Budget –an Issue of TransparencyP68~69)
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2022年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。