宮内庁:悠仁様卒業式当日の愛子様会見をミスと認める

「愛子内親王殿下ご成年をお迎えになっての記者会見」が悠仁親王のお茶の水大学附属中学校の卒業式と同じ日に行われた。

卒業式はかなり以前から決まっていたことであり、一方、成年記者会見は20歳の誕生日に先だって、昨年の11月に行うべきものが、ご本人の希望で延期されていたものであるので、重なったのでない。卒業式にぶつけるような形で成年記者会見が設定されたわけで、宮内庁の重大なミスであると私は「愛子様記者会見を解説:なぜ悠仁様卒業式の日に?」で指摘し、多くのアゴラ読者に読んで頂いた。

これまで宮内庁の不手際を指摘してもなかなか反応がなかったのだが、昨日、西村泰彦・宮内庁長官が定例記者会見で、愛子さまの記者会見が、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまの中学校卒業式と同じ日(3月17日)に行われたことについて「ちょっと私のミスというか、3月に愛子さまの会見を調整しているのを聞いた段階で、卒業式のことに思いを致すべきだった」「私の頭に思い浮かばず調整できなかった。できれば別の日が良かったかなと個人的には思う」とした。

また、「皆さん方の負担もある」「比較して書いているようなものも確かにあったかもしれないが、特段申し上げることはない」とした。

愛子さまの記者会見と悠仁さまの卒業式の日程が重なったのは「私のミス」と西村宮内庁長官(TBS NEWS)

宮内庁としては珍しく潔い対処で良かったと思う。しかし、そもそもの誤りは、誕生日に先だって11月にほかの女性皇族がしてきた記者会見を自分の希望で勝手に延ばすことを認めたことにある。

皇族がさまざまな行事を自分の希望で勝手に延ばすと各方面に甚大なる迷惑がかかる。それは皇族として絶対にしてはならないことだとすら意見できないことが問題なのだ。皇族が動かれるとなると、関係者の段取りや警備などで非常に多くの人が無駄な仕事をし、コストもかかるので、自分の都合で好きな時期にしたいとか我がままはいうべきでないのだ。

そういう意味で、決まったことを決まったときにすることは、皇族の最低限守らなければならないルールなのである。このようなことが続くと、これから大変なことになるので、成年皇族としての第一歩をきちんとしていただくことを宮内庁の職員は説得すべきなのである。

また、どうしても延期したいということで、やむなく延期するなら、ほかに迷惑がかからないように細かく配慮すべきことだ。

そういう意味では、悠仁さまの卒業・入学時期である三月中旬から四月上旬は、避けるべきだと私は指摘していた。ところが、あえて三月に記者会見というので、宜しくないと指摘したのだが、こともあろうに、卒業式当日にぶつけるとまでは想像できなかった。

将来の陛下となるべき方を大事にする配慮も必要だという気持ちが、愛子様の周辺にいる職員やその他の人たちに欠如していることが問題なのだ。

この日には、悠仁さまが卒業式にご両親とともに出席される様子が報道陣以降会されたのみならず、お茶の水女子大学では、悠仁さまが附属中学校を卒業されるに当たり、在学中のご様子などについて会見した。

これまで他の生徒との関係もあり、情報公開を控えていたのを、幼稚園から中学間まで12年間預かってきた総括をし、国民に将来、天皇陛下になるべき悠仁さまの学業や人格形成が順調に進んでいることを披露して安心してもらうという大事な機会で、まさに満を持して行われたものだったが、宮内庁の日程調整ミスでほとんど報道されないことになってしまった。取り返しのつかない失敗だ。

あまり詳しい内容は発表されていないが、FNNニュースによれば、下記のようなことだ。

卒業式では、感極まったような表情を見せられていた悠仁さまですが、壇上に上がると大変落ち着いた様子で卒業証書を受け取られていたと言うことです。

学校側には、秋篠宮ご夫妻から他の子と変わらないようという希望が伝えられていて、中学の部活で卓球部に入った悠仁さまは、一般の中学生に混じり、区の大会にも出場されたそうです。

学校での成績は優秀で、数学の学習で満点が取れず悔しがったり、友達の前で初めて英語で発表した際には、「緊張した」と漏らされることもあったそうです。理科と社会が好きで、自分で学習も進められていたそうです。

悠仁さまを、幼稚園、小学校、中学校と12年にわたり見守ってきたこともあり、お茶の水女子大学附属で教育に携わった大学長始めとする教職員も「ご卒業はまことに感慨深い」「これからも健やかな成長を遂げられ、実りある学校生活を送られることをお祈り申し上げます」と4月から通う、筑波大学附属高等学校での新たな一歩へ期待を込めていました。

といっても、失敗をあげつらっても建設的でないので、私が提案したいのは、今後の悠仁さまの進路、帝王教育、お妃選びについて、上皇ご夫妻、両陛下、秋篠宮ご夫妻、宮内庁、さらに私は内閣府も入るべきだと思うが、役割分担をしっかりし、万全を期すことだ。

無責任な論者には、両陛下の養子のようなつもりでお任せしたらとかいう輩もいるが、皇后陛下の体調が芳しくなく、公務を大幅に削減しておられるし、また愛子さまも二年間に一日しか登校されないという変則的な学業を送っておられる中で、これ以上の負担はかけるのは申し訳ない。

むしろ上皇后陛下が中心になって皇族の女性方が集まって秋篠宮妃殿下のおつもりをお聞きし、アドバイスをされるというような形がいいのではないか。

また、大正天皇には有栖川宮威仁親王が輔導となって兄貴分としてつかれたのだが、そういう工夫もあってしかるべきだ。

帝王学については、なによりも、陛下とときどき行動を共にされることがとても大事だが、知識という面についていえば、たとえば、外交については(皇后陛下との御尊父であることも含めて)小和田恆大使、国際人としての成長のためには磯村尚徳さん、それから皇室の歴史については竹田恒泰さんなんかどうかと何年か前に提案したことがある。

ひとりひとりには異議がある人も多かろうが、この三人くらい並べたらいいバランスだと私は当時思った。

そして、結婚相手をについては、自分の子どもの縁談をまとめるのにノウハウがある方が中心になって、さまざまな出会いの場をいまから設定して置くべきだと思う。