朝日新聞社は、峯村健司記者によるダイヤモンド編集部に対して編集権の侵害行為があったとして、峯村記者を停職1カ月とする懲戒処分を決めました。
安倍晋三元首相が週刊ダイヤモンドのインタビュー取材を受けた後、ダイヤモンド編集部の副編集長に、公表前の誌面を見せて内容を確認させるよう要求した峯村記者の行為について、不適切な行為だと判断したとのことです。
編集委員の職も解かれます。
峯村記者は自身のnoteに、
最大の政治トピックの一つになっているニュークリアシェアリング(核共有)について、重大な誤報記事が掲載されそうな事態を偶然知り、それを未然に防ぐべく尽力し、幸いにして、そのような誤報は回避されました。
と述べています。
朝日新聞記者としては異色である峯村記者を擁護する向きもあります。
いやはや。
峯村さんに自由な記者活動をさせているというのが朝日新聞の矜持だと思っていましたが、退職間際にこれですか。堕ちたものだ。残念です。 https://t.co/7kZk7cnpX2
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) April 6, 2022
朝日新聞社は週刊ダイヤモンドによる安倍晋三元総理へのインタビュー記事を公開前に見せるよう編集部に要求したのは極めて不適切として、峯村健司編集委員を停職1カ月の懲戒処分とした。
誤報を回避したのに、朝日新聞のやることえげつないな。朝日社内には安倍連携罪が存在するのかも…。 pic.twitter.com/6RDpg75LVm
— Mi2 (@mi2_yes) April 7, 2022
峯村健司記者がどれほど朝日新聞の声価を高めたか。時分のところの社論と違う記者を「いつか、やってやろう」と虎視眈々と狙っていたと思う。ちなみに、峯村氏の転職先にわざわざ停職処分となったことを通告したそうだが、この行為は労働基準法22条4項に「労働者の就業を妨げることを目的として、
— 三枝 玄太郎 (@SaigusaGentaro) April 7, 2022
賛否両論ありますが、報道倫理としては完全にアウトです。
峯村記者の事件は賛否両論だが、業界の常識としては100%アウト。思想信条とは関係なく、他社にゲラ見せろなんてありえない。TBSがオウムに試写を見せたのと同じぐらい重い処分が相当だ。
— 池田信夫 (@ikedanob) April 7, 2022
安倍元首相がこの経緯に対してどのような対応をするのか注目が集まります。峯村記者は、同noteで、
北京特派員時代、中国当局に25回拘束され、取り調べを受けてきました。(中略)しかし、今回の朝日新聞による取り調べは、愛する会社からの仕打ちという意味で、強権国家の警察当局の取り調べをもある種で上回る精神的苦痛を感じるものでした。
と述べ、今回の処分に対して朝日新聞社と徹底抗戦をする構えです。
これはネット上では文字通り賛否両論で大炎上。フリーランスのライターも「アウト」。
noteを読むと他社の記者にゲラを開示するよう要求したのも、「安倍晋三の顧問を引き受けている」と言ったのも事実。この点で峯村氏が完全にアウト。朝日の処分は妥当。
でも、処分受けたってどうってことないのでは?辞めるんだし。性暴力とか誰かの人権を踏みにじったとかいう不祥事でもないんだし。 https://t.co/OVyOkIz9fz— ☪常岡浩介☪元容疑者 (@shamilsh) April 6, 2022
ネトウヨのみなさんは、朝日の中では右派とみられていた峯村記者に同情的。
朝日新聞で唯一マトモだと言われている峯村健司記者(LINE問題のスクープなど)、朝日から停職1カ月の処分を受ける(4月20日に退職) 原因は「重大な誤報記事が掲載されそうな事態を事前に知り回避させたため」 さらに、退職する峯村氏の転職先への妨害行為まで https://t.co/oslgwy4jeJ
— アノニマス ポスト ニュースとネットの反応 (@anonymous_post2) April 7, 2022
この人は、もちろん大批判。
「全ての顧問を引き受けている」「ゴーサインは私が決める」
安倍氏の周りには自称「顧問」の記者がいて、本人にかわり、”天の声”届ける
note反論も読んだが、それでも「編集権の侵害行為」とダイヤモンド側が非難するのも当然で、権力者と一体化と捉えられかねないだろうhttps://t.co/JtoENtj8te
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) April 7, 2022
政治的には中立の江川さんも、さすがにこれはアウトの判定。
記者が安倍元首相の代理人のように振る舞い、他メディアにインタビュー記事を事前に見せるよう求めた、というとんでもないない話。これまでこの人が書いてきた記事の信頼性にも疑問符が…→朝日新聞社編集委員の処分決定 「報道倫理に反する」 公表前の誌面要求 https://t.co/GuDlfe5Mbi
— Shoko Egawa (@amneris84) April 7, 2022
弁護士界隈も、左右に関係なくアウト判定。
峯村健司氏の弁明noteは、週刊ダイヤモンドの安倍氏インタビューの質問に事実誤認があったかどうかに話をすり替えてるよね。安倍氏から聞いた話では事実誤認がありそうに思ったので安倍氏の意を受けて他社の記者に電話をかけてゲラを見せろと要求しました。弁明どおりだとしても普通にアウトですね。
— ystk (@lawkus) April 7, 2022
労働事件としては「退職の直前に懲戒処分を出したのは違法ではないか」という批判もありますが、懲戒処分が違法と判断するのはハードルが高い。
朝日の峯村氏の件を労働事件として見るなら、退職直前だからといって懲戒処分をするのが当然に違法になるわけではなく(そもそも問題行為自体が退職の前月)、ただ処分の必要性や相当性を判断する一材料になりうるだけだろう。もちろん大前提として、まずは社内規律に違反したといえるかが問題となる。
— Shin Hori (@ShinHori1) April 7, 2022
安倍元首相の事務所は「今回の件については朝日新聞社と峯村氏との間のことであり事務所としてコメントは差し控えさせていただきます」と発表しています。