日銀、永久指値オペで自滅 日本敗戦

小幡 績

Manakin/iStock

なぜだ。

なぜ、日本銀行は、あえて、ヘッジファンド、トレーダーに食い物にされる政策をあえて選んだのか。

日銀は、28日の政策決定会合で、イールドカーブコントロールにおいて、連続指値オペ明確化するために、毎営業日、0.25%での指値オペを行う、と発表したのだ。

これは、自滅となる。

彼らは、マーケットの戦いをわかっていないのだろう。これでは、ヘッジファンド、トレーダーの思うつぼだ。

なぜなら、必ず、0.25%で日銀が買ってくれるので、それよりも低い利回りで国債が市場で価格がついていれば、その値段で売りまくれば、絶対に損しないからだ。

利回りが低いということは価格が高いということを意味する。だから、日銀が必ず買う価格というのが価格の下限になるが、それよりも価格が高ければ、つまり、利回りが低ければ、売りまくり、それよりも価格が下がって、利回りが0.25%に達すれば、日銀が必ず買ってくれる。そして、トレーダーたちが売り続ければ、必ず、価格は下がり、利回りは上昇するから、0.25%に達し、日銀が買ってくれることになる。

もう少し詳しく解説しよう。

トレーダーは、国債を先物で売りまくる。同時に円も売り浴びせる。国債市場では、海外トレーダーはマーケットを支配できないが、為替市場では支配できる。

国債市場で指値オペで日銀がトレーダーを撃退したように見えても、それは彼らを確実に儲けさせるだけだ。なぜなら、彼らは円を売り、円は暴落する。国債は先物で売っている。現物国債市場は日銀が支配し、0.25%で買う。ところが、国債先物市場では0.25%を超えて利回りが上昇する。そうすると割安だから、国債先物を0.26%で国内トレーダー、国内投資家が買って、現物を日銀に売る。裁定取引で確実に儲かる。

海外トレーダーは、国債先物ではわずかに損をするように見えるが、実際は、円が暴落しているから、ドルベースで考えれば、国債の買戻し価格はドル建てでは安くなる。だから、ドルベースでは儲かる。

永久に儲け続けられる。

円安は絶対に止まらない。

なぜなら、このトレードを続ける限り円安が進み続けるからだ。

どこかで、日銀は円安を止めるためにギブアップせざるを得ない。その時、国債は暴落し、海外トレーダーの売りポジションは大儲けとなる。

彼らは、ここでいったん力をためて、国債市場を殺してから、つまり、0.25%で日銀がくぎ付けにするから、普通の取引者は国債を売買しなくなる。市場が成立しなくなる。

その状態から一気に売り浴びせれば、短期決戦で勝ちやすくなる。あるいは、今日から即時に攻め立てる。いずれにせよ、万が一、今日負けても、次には彼らが大勝ちするだろう。

終わりだ。