東南アジアで「安い」と感じる時代はもうすぐ終わる

内藤 忍

バンコク経由でカンボジアのプノンペンに来ています。エコノミークラス以外は満席で、ようやく海外渡航が本格化し始めているのを実感します。プノンペン国際空港には、現地デベロッパーの中尾みどりさんが特製パネルまで作ってお迎えに来てくれました(写真)。

2年以上ぶりの海外旅行ですが、コロナ前と比べて変わったのは、まず旅客運賃です。今回はマイル特典が使えなかったので、チケット購入しました。タイミングが異なるので単純比較はできませんが、3年前の2倍以上になっていました。

東南アジア便は単価がまだ低いので何とかなりますが、欧米線も同じように値上がりしているとすれば、以前のように気軽に海外にはいけなくなります。

また、東京から経由地のバンコクに移動している間に、1ドル=131円まで更に円安が進みました。1ドルが100円から130円になれば、10万円だったものは13万円に値上がりすることになります。

到着後に現地の人に連れて行ってもらったローカルなお店は、ビールを飲んでシーフードを食べきれないくらい食べて会計は一人20ドルもかかりませんでした。2000円でこれだけの食事ができるのは、日本の物価感覚からすれば、まだ安いと言えます。

一方でカンボジアにもスターバックスが進出して、たくさんの店舗があちこちにありました。こちらはコーヒーが3ドルほどだそうです(カンボジアは米ドルが流通通貨)。今や、為替レートで換算するとカンボジアの方が東京よりも高くなっている状態です。

もし、今より更に円安とインフレが進めば、東南アジアに出かけても、安さを感じなくなる日がいずれやってきます。そうなれば、海外旅行は贅沢な趣味になっていきます。

かつての1ドル=360円の時代が再びやってくるとは、思いたくありません。でも、もし今よりも更に円安になるのを心配するなら、今のうちに安い東南アジアを体験しておくか、将来使うであろう外貨を円高のうちに買っておくべきです。

chanwity/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年4月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。