ウクライナを「震災後の東北」にしてはならない

2011年3月に東日本大震災が起こってから、被害にあった東北地方は芸能人や文化人の人たちが炊き出しや支援物資の輸送などに多数押し寄せました。

Liudmila Chernetska/iStcok

あれから10年以上が経過し、最近ではメディアで東北地方が話題になることもめっきり減りました。

震災直後に熱狂的にボランティア活動などをしていた人も徐々に東北地方から足が遠のき、東北の人たちは忘れられていきました。

今も現地に行けばわかりますが、復興はなお道は半ばです。震災直後だけではなく、今こそ復興に必要なことをサポートをしていく継続的な活動が必要だと感じます。

これと同じことが起こらないかと懸念しているのが、ウクライナです。

2022年2月のロシアの侵攻以来、連日メディアで報道され、日本からも多くの支援が集まっています。でも、戦争の長期化とともに、その関心は徐々に埋まっているように見えます。今後、更に長期化すれば、関心は更に低下していくのではないかと懸念しています。

今やロシアの攻撃もウクライナ全土から東部地区に集中し、キーウ周辺は平穏を取り戻していると感じるかもしれません。

しかし、もし戦乱が収まったとしても、その先には東北と同じように復興という大きなハードルが待ち構えています。

時間をかけて、破壊されたウクライナの街と経済を立て直していかなければなりません。そこにはサステイナブルなサポートが必要だと思います。

私は東北には元々はご縁がありませんが、ウクライナには深い関わりがあります。インベスコア社やテクラ社とは、キーウのコンドミニアムの仕事でご一緒しました。

そのテクラ社が手がける「ウクライナ支援のクラウドファンディング」は、ウクライナがこれから抱えるであろう問題を解決してくれると期待しています。

こちらのクラウドファンディングは小額で多くの人からサポート資金を集め寄付するものです。それだけではなく、募集総額の50%相当額をテクラ社とそのグループが追加拠出し、仮設住宅を建築していきます。

つまり、自分が寄付した金額の1.5倍相当が、ウクライナへ贈られることとなります。

今回のプロジェクトが成功すれば、今後継続的にウクライナをサポートする試みが続くことになります。

一時のブームではなく、長期でウクライナの人たちをサポートしたい。そのような考えの方がいれば、ぜひ今回のプロジェクトに参加してください。私も1人のサポーターとして関わっていきたいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。