エリザベス女王の在位70年を祝う行事「プラチナ ジュビリー」が英国で始まりました。4日間もやるのですね。英国王室に対して熱狂的支持者は多く、その盛り上がりに女王は疲れてしまったようでミサは欠席したようです。また注目のハリー王子とメガン妃はバルコニーに上がらずにひっそりと観覧したと報じられています。王室の望みとご夫妻の意向が合致したのでしょう。王室、皇室を巡る盛り上がりは日本もかなり似たところがあり、日本と英国の近親感がじわっと湧いてきます。
それでは今週のつぶやきをお送りします。
市場は底入れしたのか、単なる一時的な戻しなのか?
「悪いニュースは市場によいニュース、良いニュースは市場に悪いニュース」という奇妙な傾向が見て取れます。本日発表になった5月の雇用統計。事前予想が33万人に対して39万人で着地したのですが、これが良くなかったのです。一部で雇用統計が20万人台なら株価は続伸と見込まれたその理由は雇用環境軟化→金融引き締め緩和観測があったからです。事実、ハイテク企業からは採用しすぎた技術者の解雇を進めるニュースが割と目立ち始め、テスラも新規雇用を停止しました。
それを勘案すると私も39万人の純増はおかしくないか、と思っているのです。多分ですが、6月にしわ寄せが来る気がしています。また賃金上昇の伸びも止まりました。この雇用統計をよくよく見て考えればやっぱり景気は着実にオーバーヒートから下降線をたどっていることはうかがえます。では市場は底入れしたのか、ですが、可能性はあるとみています。但し、強弱感が対立していて明白な方向感が出せない状況です。以前にも申し上げましたがあるインパクトがあればそこに向かって走るはすですが、それがないのです。来週の消費者物価指数の発表が一つの重要な手掛かりになるでしょう。
ちなみに私は久しぶりにハイテク、製造、機械関連にほんの少しだけ打診買いを入れました。製造業は底値に見えます。自動車は潜在需要が爆発的に溜まっていますが、とにかく買うにもモノがないのが現状で中古でも新車並みの値段をつけられて、電気自動車などは1年以上の待ちとなっています。これでは自動車会社は売るに売れない機会損失となるのでしょう。まだまだ波乱の市場が続くと思いますが、収まらない嵐はないこと、安値拾いで損することもあまりないという信念で臨んでいます。
またぞろ 少子化問題
厚労省の2021年度人口動態統計が発表になり、出生率1.30の衝撃がメディアで取り上げられています。この話はこのブログでずっと提示してきたので今更感もありますが、最近よく見かける話題が「なぜ、フランスは子供が増えたのか?」。そしてその答えは手厚い政府の扶養支援ではなく、出産の仕組みにあると。つまりフランスは婚姻していないカップルの子供が多いことにその成功の理由があるわけです。日経の記事には「法律婚を経なくとも子供を生みやすくすること」を長期対策とすべきと報じています。ほう、そこまで踏み込むのかとちょっと驚きです。
日本がフランス化することは100%ありえません。そもそも文化、思想、民族、宗教観が違いすぎます。日本がなぜ少子化なのか、私は再三申し上げた理由の一つが少子化対策と女性の社会進出が二律背反するからなのです。日本人母は子供を他人の手に預けることが出来ず、自分の手で育てることへのこだわりが世界の中でも異様に強いのです。よって好む好まざるにかかわらず、子供が出来たら一時的に専業主婦になり、子供が学校に通い日中の時間が少しできたらパートに出る、というパタンがいまだに崩れないのです。よって子供が出来たらやっぱり休職するのが主流なのです。
もちろん、子供を抱えながらフルタイムの仕事をする方もたくさんいます。ですが、傾向としてはこれは変わらないのです。あまり良い例えではないのですが、北朝鮮の拉致被害者のご家族や道志村で失踪事件の母親の子供への愛情は欧米では考えられないほど強く長く継続し、時に怨嗟にすら発展します。一方でパチンコ狂いの母親による放置死や虐待死もあります。当地では幼児をみれば「ゴージャスな子」とべた褒めします。子供への愛は変わらないのですが、自我の心を芽生えさせるのが早く、個の尊厳が幼少の時から育まれ、高齢になっても親が同居を許しません。親は親、子は子。この辺りの感性の違いをまずは日本人が認識したうえでこの問題に取り組むべきかと思います。
立憲民主党の参議院選公約
立民の選挙公約三本柱は物価高対策、教育、安全保障だそうです。物価高対策では時限的に消費税を5%にすると述べています。このところテレビニュースでは食品メーカーが忖度談合口裏合わせ的に4-20%の値上げを発表しています。なぜ、押しなべて4-20%の枠に収まるのか、民放は逆立ちしてもスポンサー様の経営方針に立ち入ることは致しません。さて、物価高への対応は二つあります。高くなるのはしょうがないのでそれに耐えうる所得を増やすこと、もう一つは物価高に耐えうるように政府部門が痛みを負ってでも国民を慮る方法です。立憲は後者に立っています。
私は給与を上げればいいじゃないか、と思います。もともと日本の賃金水準は主要国に比べて低いのですから上げ余地はあります。それで企業経営が成り立たないならそれは企業としての体をなしていないのだから淘汰されても致し方ないのです。日本は政策的に雇用を守ることに重点を置きすぎた結果、賃金政策がおざなりになりました。日銀もその点は片手落ちなんです。左派の立民の公約は国が甘い汁を提供すべし、という姿勢が当然ながら強く出ます。
ところで最新号の日経ビジネスの特集は「官僚再興」。その中に国会での質問は前々日の正午までの通告がルールだが、それを破る議員も多いとあり、それが立民と共産党が論外に圧倒していると報じています。そのために官僚は徹夜仕事をするわけです。立民は昔から官僚を嫌いますが、官僚がいないと国が成り立たないのもこれまた事実であり、その職はこのところ不人気そのもので、優秀な人は役人にならないが今のトレンドです。とすればこの国を壊してしまうのは誰なんでしょうね?国にあまり負担をかけない公約はできないものでしょうか、泉さま。
日大の理事長に林真理子氏
日大の理事長に林真理子氏。なかなか思い切ったと思うと同時に当時、テレビのコメンテーターで田中前理事長の院政シナリオは崩れないと自信満々に語っていた方にどう思うか聞いてみたいです。著名人を持ってくると田中派は抱き込み計画が出来なくなるのです。おまけに林さんですからねぇ。また、有名人ほど情報が漏れやすくなります。理事長は大学経営のトップになるので林さんにその手腕があるか問われていますが、それは数の理論の日大ですからいくらでもいらっしゃるでしょう。私はこの人事はとても評価します。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年6月4日の記事より転載させていただきました。