日銀と財務省と金融庁が意見の交換を行い、円安の進行について「憂慮している」という声明を発表しました。3者が共同で声明を出すのは初めてのことです。
また、黒田総裁は、8日の講演会で「日本の物価上昇は持続的ではない」との認識を示しました。また、日米金利差の拡大による円安基調も和らぐ可能性が高いとの見解も述べました。
現在起こっている物価上昇はエネルギー価格の上昇によるものなので持続性はなく、金融緩和を継続するとの意向を強調しました。
円安への口先介入は正しいとはいうものの、効果はあるのでしょうか。
これ以上の円安はとめてもらいたい。口先介入だけで効果があるかどうかはわからないけれど、政府の姿勢は正しい。:円安「必要なら適切な対応」 財務省、金融庁、日銀が初の声明文 https://t.co/43J2PcB7tW @Sankei_newsより
— 松川るい =自民党= (@Matsukawa_Rui) June 10, 2022
参議院選挙前なので、政府の焦りを感じます。
政府・日銀がついに「急速な円安憂慮」の文書公表です。やはり参院選1カ月前(の見通し)ですから。「神田財務官は面会後、記者団に対し為替介入も念頭に「あらゆるものを含めて適切な対応をとる」と述べた」と ーー 政府・日銀「急速な円安憂慮」 3者会合で文書公表 https://t.co/w6CSSrqZjH
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) June 10, 2022
そもそも政府の対応はちぐはぐです。
日銀は10年前から「インフレ目標2%」を掲げているのに、政府は「物価高対策」の補正予算。物価高を止めるために、中央銀行という制度があるんですけど。 https://t.co/OXlb5pOgyU
— 池田信夫 (@ikedanob) June 10, 2022
それでも金利は上げられません。
10年近いアベノミクスで政府・日銀に積み上がった国債の処理は想像を絶する困難さですし、ゼロ金利のぬるま湯に慣れ切った日本経済も多大な影響を被るでしょうが、だからと言って事態を放置して急激な円安から最終的に通貨危機に陥るような事態を招いたら、日本経済は立ち直り難い打撃を受けます。
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) June 10, 2022
野党はここが攻めどころとなりそうです。しかし、金融緩和を止めたとして、そのあとの対応は給付金くらいしか考えていないようにも見えます。
自分たちが進めた「異次元の金融緩和」が異常円安をつくりだしたありさまを目の前にしながら、Γ3本の矢」の「堅持」を閣議決定しておいて、何を今さら「憂慮」か?#金融緩和を見直せ!
— 志位和夫 (@shiikazuo) June 10, 2022
それでも金融緩和は正しいし続けるべきだという意見もあります。
高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 黒田日銀総裁「値上げ許容」発言が提示していた「マクロ経済の良い論点」 https://t.co/64KgcGZYbD #マクロ経済 #日本銀行 #高橋洋一 #高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ #黒田東彦 @jcast_newsより
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) June 10, 2022
円安への評価が変わりつつあります。構造改革を進める前に、国民生活が疲弊しなければよいのですが。
22年になって、円安に対する評価が変わりつつある。原材料価格高騰の製品価格への転嫁が難しい環境下で、企業にとっても円安が望ましくないことが認識されるようになってきたからだ。これは、大きな変化だ。この変化をうまく使うことによって、日本経済の構造改革を進めることができないだろうか。
— 野口悠紀雄 (@yukionoguchi10) June 7, 2022
「円安の進行を憂慮」と声明するのは易し、是正するのは難しのようです。