ニューヨーク州ワイン試飲会@パリのアメリカ領事館。
アメリカ領事館は、元タレーラン邸(タレーランといえば、食いしん坊は皆、政治よりもカレームを連想するはず)。オテル・ド・ラ・マリーヌの横で、同じようにコンコルド広場&エッフェル塔を眺められる。広場を背に右から、アメリカ領事館、オテル・ド・ラ・マリーヌ、オテル・ド・クリヨン、その横がアメリカ大使館。
大使館からのパリ眺望も見てみたい~。昔、友達がパーティーに誘ってくれたのに都合悪くて行けなくて残念だったなぁ。
ニューヨーク州は、カリフォルニア州、ワシントン州に続く、アメリカ大3位のワイン産地だそう。そしてヨーロッパ人がアメリカにやってきた17世紀にまで歴史を遡る。オランダ人が葡萄植えたそう。
ザ・ハンプトンズがあるロングアイランドあたりはボルドー風の気候でボルドー同様というかザ・ハンプトンズにふさわしいラグジュアリーなメゾンがたくさん(ギャツビーの世界〜♪)。グッと西に移動すると、オンタリオ湖の南に広がるこの州最大産地のフィンガーレイクスがあって、こちらは冷寒地でリースリングやカベルネフランが主役。
どんどんその評価は高くなっていて、特にお膝元NYCでの人気が上がっているのですって。
今回はこの2産地の18メゾンのワインを試飲。
今まで全くしらなかったタイプのワインが目白押し。というか、全てが初めまして、的な風味。
カリフォルニアのナパやソノマは、昔、父がパロアルトに住んでいたので遊びに行った時にワイナリー巡りしたりかなり色々飲んで、私なりに特徴づけをしていたけれど、当然だけどまーったくスタイルが違う。カリフォルニアがロバート・パーカー好みのリッチで芳醇でグラムールなイメージなら、こちらニューヨークは、もっとフレッシュで酸のエッジが効いて、ストイックな佇まい。
いつも飲んでいるフランス(やドイツ)のリースリングやカベルネフランとも、かなり違った香りや味。
小規模生産者が多くミクロクリマでもあるので、個性豊かで多様性あるワインを作っているフィンガーレイクス。色々な発見があって興味深い試飲会。”面白くはあるけれど、慣れてない味だから形容するのが難しいなぁ”と仲よしワインライターに言うと、”テロワールのポテンシャルはすごくあるけど、醸造家の好みというか考え方の違いがヨーロッパとかなりあると思う”と。
なるほど。この試飲で、文句なし気に入ったのはたった一つだけで、フランス人が作ってるワインだった。フレンチテイストに慣れちゃってるということか、、。
醸造家が来ないフリースタイル試飲会だったので、各メゾンのお話聞けないのが残念。でもそれを補う、興味深いマスタークラスを開催してくれる。
このマスタークラス、講演者がルイ・バリュオルだというので、とっても楽しみにしてた。ルイ・バリュオルは、ジゴンダスの名ワイン醸造家。彼のワイン1度しか飲んだことないけど、素晴らしい味で記憶に残ってる。
”ゼロからのワインづくりを試してみたかった”と、フィンガーレイクスでワインづくりをスタート。この地を選んだのは、もともとフレッシュなワインが好きだったから。太陽照りつけるジゴンダスが本拠地なのにね。でも確かに、彼が作るジゴンダスは、灼熱の太陽の重さではなくどこかエレガントでクリアな魅力が漂っている。
ちなみに、試飲会でダントツ気に入ったリースリングは、ルイ・バリュオル作Forge Cellars Dry Riesling Classique 17。好みってわかりやすい(笑)。
彼と、MW(マスターオブワイン)のクリストフ・マクラのお話に耳を傾けながら、6種のNY州ワインのテイスティング。2人のお話の方がとにかく興味深くて聞き惚れる。
7月末までフランスに滞在するというバリュオル氏。ジゴンダスまで行ってChateau de Saint Cosmeの畑に一緒に立ちたい~♪
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。