発:一国民、宛:萩生田大臣、本文「ワレ、節電ニ成功セリ、効果甚大57%減」

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節電の夏

今年の梅雨は例年になく早くあけ、連日猛暑が続きます。電力危機に直面し、火力や原子力などの発電事業者は稼働予定を早めるなど、その対応には感謝しかありません。そうなると需要者である私達の側も、節電の努力は共通の課題です。

同じやるなら楽しまなくては続きません。でも節電努力には、どれくらい効果があるのでしょうか。皮膚で室温の低下を実感することはできますが数値的にどうなのか、一般的にはわからないと思います。ぜひとも効果を可視化したいものです。

私は個人零細事業(塾)を営んでおり、エアコンを動かすためだけの低圧電力契約をしているので、電力使用量について前年対比ができました。そのため効果を数値で把握することが可能でした。それを速報ですが報告します。

ある節電策で電気使用量が57%減少

TEPCOから届いた「電気ご使用量のお知らせ」によると、ある教室(約50㎡)で契約している低圧電力は、昨年(29日間)の使用量が96kWh(1日あたり3.31 kWh)であった一方、今年(30日間)は42kWh(1日あたり1.40 kWh)でした。

図1で示したとおり、今年6月分は昨年と比べ1日あたり57%減少しています。この低圧電力は、エアコンしか作動させていないので、57%減少はエアコンそのものの電力使用量の減少です。

図1
※TEPCOのお知らせをもとに筆者が作成

使用量を半減させた節電策は「窓ガラスへのアルミシート貼付」

上記で示した教室は、雑居ビル2階の南西に面し、その壁面に大きな窓ガラスが設置されております。そのため、真夏は午前10時から午後5時ごろにかけて直射日光に照射されてガラスもサッシ枠もコンクリート壁面も全て熱くなります。

そこで、今年は、そのガラス面にサッシ枠ごとアルミシートを貼付しました。使用したアルミシートは、100円均一で売っている0.9m×1.8mのものです。これを約4枚貼り付けただけですが、即体感できる断熱効果があります。

費用対効果(予想)

コストとしては、アルミシート等購入にかかった費用合計550円(内訳:シート代440円、両面テープ代110円)でした。自分でやったので人件費は0です。時間は20分もかかりませんでした。金額以外のコストとしては、「見栄え」があります。貼り方や場所によっては変人扱いや白い目で見られるリスクがあると想定します。

一方、金額面の効果は、夏季3か月+9月(残暑)の4か月累計で10,000円~20,000円程度を見込んでおります。ただし天候次第ではさらに変動する可能性もあります。また、6月度の電力使用量の減少がアルミシート以外の何等かの要因もあった場合には、削減効果も減少することがあります。

注意事項

上記の方法はあくまでも自己責任で行っており、広くお勧めするものではありません。例えば日光の当たり具合や建物の構造上、集光などの現象次第では火事の原因になりうる危険も想定されます。従って実行する際には、常時観察可能な場所で試行しながら徐々に広げてみてください。

また、紹介事例は短期的な個別事例に過ぎず、天候推移の差異も考慮しておりません。従って、これをもって効果を一般化することは科学的な態度ではありません。私自身も自説を懐疑し、今後7~9月という一定期間観察・検証して行こうと考えております。

まとめ

一個人として実行可能な節電策は他にもいろいろあります。今回は多少なりとも数値的な根拠を示すことができる策を紹介しました。重ねて書きますが、本稿で紹介した節電策は決してお勧めするのもではありません。私を含め知識のない素人のDIYによる事故は避けたいので、本来ならば、経産省や環境省が細密に検討し、着手可能な具体策を節電要請と合わせて国民に広く提示すべきだと考えます。

とはいえ、あれもこれも国や政府に頼り要求するばかりでなく、国民の側も国に貢献できることは協力して行くことが必要だと個人的には考えます。国への貢献が嫌ならば、「連日苦闘している電力会社の現場職員と力を合わせる」と考える手もあると思います。

もちろんこの考え方を他人様に強要する気は全くありません。少なくとも私自身は、沢山の若者に日々接している大人の一人として、そういう姿勢を示して行こうと考えているだけです。

電力や物価高騰あるいは円安対応に加え、最近では「ロシアによるサハリン2“接収”」問題などもあり、孤軍奮闘の萩生田経済産業大臣も正念場です。私達も一緒に頑張りましょう。