参院選後の政治日程は、2024年秋に自民党総裁選、25年7月に参院選、10月が衆院議員の任期満了だ。2年余りは選挙を気にせず、憲法改正はじめ、懸案事項に取り組むチャンスだ。これまでの岸田首相の安全運転第一主義は、選挙までの辛抱であったと信じたい。
そして、私は、次期自民党総裁選までに岸田文雄首相が憲法改正の発議の道筋をつけたら、総裁選挙で再選される可能性が高いと考える。25年の参院選時に、衆院との同時選挙と憲法改正の国民投票を行えば低投票率によるハプニングは起きにくいだろう。
また、2年以内の解散総選挙と首相交代を条件に、憲法改正に賛成する各党で連立政権を組めばいい。つまり、その次の総選挙と参議院選挙は岸田首相のもとでは行わないということだ。
そうして、憲法改正を円滑にすませたら、その後は、憲法改正の是非という呪縛から離れた政界再編が行われ、「健全な二大政党勢力」が成立すればいい。いつも云っていることだが、民主主義は過半数確保をめざして政権交代を問うのが常道で、憲法改正するかしないかで三分の二の壁を関ケ原にして万年与党と野党が喧嘩する政治はおかしい。
そこで、憲法改正を睨んで、どのような議席配分が好ましいか考えてみよう。
まず、犠牲予想については、夕刊フジに掲載された松田馨氏のものを基準として、サンデー毎日の三浦淳氏のものを加味して使う。二人とも私の友人だ。
選挙プランナーの松田馨氏が、6月22日発行の夕刊フジで公表した参院選の獲得議席予測によると、自公与党の非改選を含めた合計が144議席(非改選は自民55、公明14。今回は自民61、公明14)、日本維新の会が21議席(今回は12)、NHK党と参政党が1議席ずつ、無所属のうち自民党系が3議席で、計170議席となる。これなら「憲法改正の発議」に必要な3分の2である166議席を上回る。逆に野党が三分の一を確保するためには83議席が必要だ。
護憲派は、立憲民主党と共産党、れいわ新選組の合計が59議席(立憲43、共産11、令和5)。無所属のうち7人が旗幟鮮明な護憲派のため、66議席となる。
残りは、国民民主党の9議席と、無所属で賛否微妙なのが3人ほどだ。
三浦氏の予想もほぼ同じだが、自民が松田氏より2多く、立憲が2少ないくらいの違いで、あと、松田氏は参政党が1議席取るとみておられるが、三浦氏は無理という予想のようだ。
どちらにしても、憲法改正の発議は、維新は賛成してくれるとしても、国民民主党が反対なら微妙、賛成すれば楽勝となる。
それなら、自民党は強行すればいいということになりそうだが、国民投票で負けたら打撃は大きく、まず負けないということでなくては、勝負を賭けにくい。
それなら、必勝する条件は何かと云えば、公明党が消極的な賛成でなく、明確に賛成して反対票への流出を排除してくれることと、国民民主党が賛成にまわることが鍵だ。
公明党が反対はしないが、積極的に呼びかけず、国民民主党が反対では、たとえ国会発議できても五分五分がいいとこだ。だから、私は、公明党や国民民主党とが不振すぎるとかえって国民投票が微妙なことになると思う。
その意味で、公明党と国民民主党が、予想されているより悪くないことを憲法改正のためにも祈りたい。
この話を前提に、では具体的にどういう投票が好ましいのか明日の朝、分析してみよう。