選挙とは武力や暴力は割に合わないことを示すチャンス

昨日は参議院選挙の投票日でした。私もお昼前に投票所に出かけました。

強い日差しがが照りつける夏の暑い日中にもかかわらず、入り口に行列ができていて、びっくりしました。このような経験をしたのは初めてです。

joel-t/iStock

期日前投票の数字も過去最高になっているそうで、最終的な投票率も、前回よりも高くなるのでしょう。今回の選挙に対する関心が、投票日当日にいつになく高まっていることを感じます。

その原因の1つは、言うまでもなく安倍元首相の暗殺事件です。

投票日の前々日にあってはならないショッキングな出来事があったことで、平和ボケしている日本人の中にも、悲しみの中に怒りの感情や危機感が生まれたのではないでしょうか?

暴力ではなく、議論と投票によって、価値観の異なる人たちの意見の調整がなされていく民主主義的なプロセスが選挙です。

当たり前だと思っていた国民のこの権利が脅かされる可能性がある。そんな危機感に気づかされたのが、今回の出来事だと思います。

武力や暴力による強引な自己主張が割に合わないことをしっかりと示すことが、民主主義的な自由の社会を維持するために必須です。

日本の選挙制度に対しては、私も改善すべき点があると思っています。また、支持できる政党や候補者がいないと、投票に行かない人もたくさんいます。しかし、それらば投票に行かない理由にはなりません。

民主主義とは、自分のわがままを全て実現させることでは無く、多様な価値観の中でお互いの折り合いを付け、ベターな社会を実現していくことです。不完全であっても、そのプロセスに参加しない理由はありません。

これから、さらに1人でも多くの人が投票所に足を運び、自分の意思を投票によって示すべきです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年7月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。