29日の東京外国為替市場では、円が急上昇しました。21日の138円88銭の安値から、29日には1ドル=132円台を付けました。
わずか24時間で3円、1週間で6円超の円高が進みました。日米金利差の拡大を手がかりに円売り・ドル買いを膨らませてきた投機筋でしたが、円を買い戻す動きが強まっているようです。
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急激な円高は一時的なものなのでしょうか。それともなんらかのトレンドの変化でしょうか。
これは円高というよりドル安だが、円安の底は打ったのかもしれない。 https://t.co/ogYkWwrGAw
— 池田信夫 (@ikedanob) July 29, 2022
さいきんの為替の急激な変動は目を見張るものがあります。
円安に振れる時も円高に振れる時もスピードが速すぎなんだよ😅 pic.twitter.com/li6nfu1FYi
— 総合商社マン (@sogoshoshaman) July 29, 2022
他通貨の動きと見比べると、主にドル安と考えられます。アメリカの景気後退の懸念から急激にドル安に動いたという見方もあります。
🇺🇸リセッション入り?
米国は2四半期連続で実質GDP成長率がマイナスとなり「テクニカルリセッション」となりました。多くの国や地域が2四半期連続で実質GDP成長率がマイナスになることをリセッションの定義にしているのに対し、米国の場合は全米経済研究所(NBER)の委員会に判断が委ねられています。
— Tomo (@Market_Letter_) July 28, 2022
27日のFRBの会合後、パウエル議長が今後の利上げ幅ペースを緩めるような発言をしたため、ドル安を後押ししたという見方もあります。
◆円安反転 132円
これまでの巻き戻しで、急速に円高が進んでいます。米利上げへの警戒がやや弱まり、米長期金利が低下。今月半ばまで急速に円安が進んだ反動で、買い戻しも急になっています。この24時間で3円ほど円高に。上にも下にも不安定です pic.twitter.com/OP2pGBDfSN— 後藤達也 (@goto_finance) July 29, 2022
FRBの利上げは、とても難しい局面にあります。
パウエル議長が「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれて、引き上げペースを緩めることが適切となる可能性が高い」と、利上げペースの加速に慎重な姿勢を示しました
70年代のインフレ高進は、まさにFRBが利上げを躊躇してしまったことが原因ですパウエル議長は同じ轍を踏むかもしれない…
— バフェット太郎 (@buffett_taro) July 28, 2022
急激な円高におびえる一方、円安は国内の製造業にとってプラスにはならなくなってきている見方もあるようです。
キャー…円安で諸に恩恵を受けるはずの自動車産業。デンソーの下方修正の第一印象は保守的すぎるとはいえ、ドル円でさらに15円の円安(115→130)を織り込んだにも関わらず年度営業利益予想を15%弱下げた。恐ろしい生産台数減(3098→2603万台)だがこの円安が自動車に役立たないなら何の意味もない… pic.twitter.com/8thw8jqUZN
— Amin Azmoudeh | アミン・アズムデ (@aminimaz) July 29, 2022
それにしても、これだけ動くというのは、投資家の心中も穏やかではありませんね。
店頭FXのドル円ロング、先週末時点で今年最高水準に増えていました。この円高、食らってる人も多そうです。 pic.twitter.com/VfR6GE2c2k
— 高城泰 (@takagifx) July 29, 2022
岸田政権が抜本的な円安対策を検討しているうちに、円安は終わり、円高に振れてしまうのでしょうか。