旧統一教会をめぐる報道が安倍晋三元首相銃撃事件以来、過熱している。マスメディアも連日のように、この問題を取り上げる。それは国会議員と旧統一教会を巡るものが多い。そういった事を追及するのは無意味とはいえないが、そればかりになると、問題の本質から外れ、この問題の解決から遠のくであろう。
マスメディアも、今でこそ毎日のように報道しているが、国民の関心が薄れると、パタリと報道をやめるだろう。そして、問題はなにも解決せず。90年代に起きた事と同じ事を繰り返すように思うのだ。
それは避けなければいけない。避けるためには、今回の問題の本質を理解しなければいけないだろう。本質的な事は、昨年までの35年間で消費生活センターなどが受けた統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円に上る事だろう。しかも、それさえ、氷山の一角だという。これは、いわゆる霊感商法をめぐる被害である。
霊感商法とは、家族の病気等の不幸を聞き出して、運が開ける、先祖を救うため等といって、高価な印鑑や壷、健康食品を買わせる商法のことである。こうした商法によって、多数の人々が被害にあい、金銭的・精神的に苦しんでいるのだ。
そうであるならば、警察が動いてしっかりと捜査し、問題があるならば、関係者を逮捕するべきだろう。2009年、霊感商法の会社「新世」が通行人に声を掛け、印鑑などを売りつけたとして、社長と従業員らに懲役刑が下されたことがあったが、そうであるならば、旧統一教会も捜査されて、問題があるならば、罰を受けるべきだろう。野放しにしておいて良いものではない。それが問題解決の第1点目。
第2点目は、政治家の問題である。世の中には、カルト宗教と呼ぶべき宗教団体、世の中に害を与える団体もあるが、そうした団体を規制する法律を作るのである。「カルト宗教規制法」制定のために、政治家は動くべきだろう。
オウム真理教というあれほど残虐で問題のある宗教団体の後継団体が今でも残っているのが、日本だ。オウムには、破壊活動防止法(破防法)も適用されなかった。これは、明らかにおかしいだろう。
オウム真理教のような団体が二度と出ないために、カルト宗教を規制する法律を作っておくべきだ。日本というのは、憲法や安全保障の問題にしてもそうだが、何をするにしても遅い。事件が起こってから、臍をかむ事になる前に、何事も早め早めに動いていくべきだ。