日本経済新聞電子版によれば、2022年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査で、日本人人口は前年比0.5%減の1億2322万3561人と、過去最大の61万9140人の減少となりました。
都道府県別では、沖縄県を除く46都道府県で人口が減っています。(図表を元記事で見る)
東京都は転入者から転出者をひいた社会増加数は1万2841人増加したものの、死亡から出生を引いた自然減が3万2878人で、トータルでは0.15%の人口減となりました。
東京が人口減に転じたことが話題になっていますが、減少率は地方にいけばさらに大きくなっています。そもそも日本全体の平均減少率は0.5%で、60万人以上の人口が減っているのですから、出生率が高く人口増になっている沖縄が例外的とも言えるのです。
人口減少には、2つの大きな問題があると思います。
1つは人口減少地域の経済状況の悪化です。人口が想定以上のスピードで減少しているのにもかかわらず、社会インフラの維持コストは高いままです。これからさらに高齢化も進めば、地方自治体の財政状況の悪化、鉄道や道路などのインフラの劣化による更なる人口減少スパイラルといった問題が急激に噴き出してくると予想します。
もう一つの問題は、日本国内の労働力の不足です。生産年齢人口は減っていきますから、生産性を上げ、高齢者や女性の活用を進めなければなりません。それだけではなく、外国人労働力の供給促進を今まで以上に進めなければ、労働力不足は解消できません。しかし、働く場所として日本の魅力が低下すれば、外国人が他国に行ってしまう事態もあり得ます。
少子高齢化と人口減少は日本の抱える最も大きな長期的課題ですが、日本政府には解決のための戦略はありません。
想像を超える人口減少がこれから急激に加速し、日本社会に大きな構造変化が起こるのは確実です。
だから、政府に頼ることなく、変化への対策を個人レベルで先手を打ってやっておく。今日もまた、日本に関する悲観的なデータが1つ増えてしまいました。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。