読書人口の減少が止まらないようだ。(コミックは別かもしれないが)
最大の原因は「可処分時間の奪い合い」でシェアを奪われたことだろう。
スマホや動画配信等々、安価に楽しめるものが劇的に増えたので、多くの人々が読書に回す時間がなくなったからだ。
現に、数十年前の電車の中では、新聞や文庫本を読んでいる人が多かったが、今ではスマホやタブレットを操作している人で溢れている。
しかし、読書の効用はとてつもなく大きい。
想像力を働かさなくとも頭に入ってくる映像と異なり、読書は想像力を鍛える。
「認知症になりたくなければ、テレビを観ずにラジオを訊け」と警告した医師もいるくらいだ。
実用書だと、必要な情報だけを迅速に知ることができる。
講座動画等だと、既に知っていることや不要なことに時間が使われるので、ピンポイントで知りたいことだけを絞り込むことができない。
小説で登場人物の目線に立てば、まったく未知の分野を疑似体験することができる。
効用がとてつもなく高い読書が敬遠される第二の原因は、読書のコストが高いからだ。
1500円の書籍を買ったとしたら、コストは1500円だけではない。
読むのに2時間かかるとしよう。
あなたの時給が仮に2000円だとすれば、2時間を読書に充てると4000円のコストがかかる。
なぜなら、その2時間を仕事に充てればあなたは4000円受け取れたのに、読書に費やしたためにゼロになったからだ。
合計すると5500円のコストがかかってしまう。
このように、読書のコストはかなり高い。
私が、新著「すぐに結果を出せるすごい集中力」で推奨しているのが、新書程度の分量の本を30分で読み終えることだ。
5分程度で「まえがき」や「目次」を読み、残りの25分間で本文を読む。
もちろん、じっくり読んでいたのでは25分では読み切れない。
斜め読み、眺め読み、スキャニングのようにしていかないと最期のページまでたどり着けない。
この30分読みで、その本の大まかな内容が把握できる。
後は、読みたい部分をじっくり読んでもいいし、役に立たなければ捨てた方がいい。
「それは本代がもったいない」と思うかもしれないが、もったいないのはあなたの貴重な時間だ。
貴重な時間をつまらない本に奪われるのは、とてつもない無駄であり苦痛だ。
このスキャニング読みは、大きな副産物をもたらしてくれる。
「集中力」がグンとアップするのだ。
30分間一心不乱に一冊の本に向き合うと、それだけで「集中力」がアップする。
嘘だと思ったら、是非とも試していただきたい。
「集中力がアップした」と感じなければ、あなたには既に十分な集中力がある証拠だ。
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編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。