総務省によると、2021年度の神奈川県と県内33市町村に集まったふるさと納税の寄付金は、計155億203万円で過去最多となったそうです。
当然の帰結ですが、ふるさと納税をするということは、住民税の控除となり、地方税の「流出」となります。横浜市や川崎市では、額が595億4692万円にも上っているそうです。
特に川崎市は102億9132万円の税収が流出しています。56万世帯超のごみ収集と処理費に相当するとのことです。
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川崎市も挽回しようとしていますが、返礼品がキムチということで、別の意味で話題になっています。
川崎市、ふるさと納税の返礼品がキムチ。
結果、100億円以上の税収が流出。
あれれ?
マスコミさんが言うには韓国キムチ大人気なはずなんだけど? pic.twitter.com/Dy9wjjGw9Z— 闇のクマさん世界のネットニュース (@CYXuAxfGlfFzZCT) September 21, 2022
ふるさと納税の問題点は以前から指摘されています。
明石市長としては、当初『ふるさと納税』には懐疑的で、いわゆる”返礼品競争“などからは距離を置いてきたが、国が一向にやめようとせず、明石市の税収も流出が続いていたことから、4年前に方針転換した。
明石市としての『ふるさと納税』の黒字化はすぐに成し遂げたが、何かと思うところはある・・・ https://t.co/7S9SQYJGpR pic.twitter.com/WTgVD4UzoZ— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) September 13, 2022
自治体の税収減の深刻さとは裏腹に、ふるさと納税は「お得な制度」として認識されています。が、仲介業者への「返礼」も疑問視されています。
ふるさと納税はわかりにくいですが、実はシンプル。「2000円で1〜5万円分のお肉がもらえる」お得な制度です。 pic.twitter.com/YFmbYKwSQ3
— ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ (@Tomojidien) September 14, 2022
納税をしてもらう自治体間の競争も激化しています。
見逃したら損します。楽天市場で買える『オススメふるさと納税返礼品』についてまとめてみた。ボリューム満点、10000円限定で10品ピックアップ。返礼品選びを"コスパ"で選びたいあなたに届け。「ふるさと納税のしくみや手順がわからない」「絶対お得にふるさと納税がしたい」という人はリプ欄を参考に pic.twitter.com/IpJcDQaCOh
— ひさ|お金を図解する人 (@hisa_fire) September 19, 2022
数年前には、エスカレートしすぎて自治体職員が汚職で逮捕される事件も発覚しました。
ふるさと納税をめぐる初の汚職事件が高知県奈半利(なはり)町で摘発されました。逮捕された町の職員は返礼品の選定を事実上一任され、その権限を背景に水産加工会社の社長に賄賂を要求していたとされます。事件の構図や今後の課題を、高知支局と大阪社会部の記者が3日朝刊解説面でまとめました。(隆) pic.twitter.com/QIfQCggzA7
— 読売新聞 編集委員室 (@y_seniorwriters) April 2, 2020
その制度の性格、逆進性も指摘されています。
納税制度として、さまざまな側面から、そもそも論的な問題点は指摘されていましたが。
『ふるさと納税』は、①逆進的(お金持ちの方が得をする)で、②不公平(得する人とそうでない人がでる)で、③簡便性に反し(手間暇がかかる)、④税収が減る(自治体の損を国が補填)という点で、将来の歴史の教科書に、平成と令和の時代に”愚かな納税制度”があったと書かれかねない制度・・・ https://t.co/n9oQ6u4vqe
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) September 13, 2022
衰退する国家は税制からおかしくなるとも言われていますが、日本の税制はまだ大丈夫なのでしょうか。