健康保険組合の半数が赤字:保険料増の恐れで給付と負担の世代間闘争

半数を超える健康保険組合が2021年度決算で赤字となったことがわかりました。その割合は前年度から大幅に増加してしまったそうです。

健保も高齢化のために医療負担が増えています。そのため保険料も上昇しており、10%を超えると協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入したほうが労使とも保険料負担は少なくなるところも出てきます。

このままでは健保組合に限らず、国民皆保険を謳う健康保険制度自体の持続性に関して疑問が出てきてしまいます。

「貧しい人が極貧者への再分配」又は「若者から高齢者」の再配分を進めるのか?が課題となるようですが、政治も行政も国民も、みんな目を背けています。

しかし、現役世代の間では保険料の不平等感はだんだんと広がっています。

10割負担のほうがよいと考える人も出てきかねません。

一方で、#高額医療負担制度廃止案に反対します というハッシュタグ運動も起きています。高額療養費制度は、患者負担額が高額となった場合、一定の自己負担限度額を超えた部分が還付される仕組みです。一般的に上限は月8万円程度で、それ以上はどれだけ高額でも、健康保険料と税金の財源から支払われる制度です。

その負担は考えずに絶対に死守しなければならないそうです。

しかし、給付と負担のバランスはどこかでしっかり考えなければなりません。

介護保険制度や後期高齢者医療制度の財政の負担が増えています。これが健康保険組合の赤字の最大の原因となっています。

また、主に自営業者が加入する国民健康保険の保険料率は、自治体・所得によって異なりますが、均等割り額と所得割り額を合わせると10%を超える程度になります。40歳以上はこれに介護保険料が加わります。

健保・国保に限らず、健康保険料はもはや無視できない存在になってきています。

健康保険組合などの赤字の問題は、高齢者介護や医療の仕組みをどうやって持続可能性のものとしていくかという問題ですが、誰もそこからは目を背けているようです。

こちらのほうがはるかに大きな問題だと思いますが、ワイドショーはあまり注目していません。