「天才と秀才の違い」を教えてくれた長坂真護(MAGO)さん

フジテレビジョンが主催する上野の森美術館で開催されている長坂真護(MAGO)さん(写真左)の初めての個展。

こちらの閉館後にインナーサークル資産設計実践会メンバーだけを特別にお招きいただきました。会場でMAGOさん自身が全ての作品の解説をし、更にピアノの生演奏までと、とてもぜいたくな時間を過ごすことができました。

MAGOさんは、”世界最大級の電子機器の墓場”と呼ばれるガーナのスラム街・アグボグブロシーに投棄された廃棄物を用いてアート作品を制作。ガーナのスラム街再生プロジェクトを進めるアーティストです。

アート作品を売ることで、その収益をガーナに還元し、環境整備や人材育成を進める。それがゴミをなくすことにつながるサステナブルな活動を進めています。

今回の上野の森美術館の個展でも、展示作品をQRコードでその場で購入できるという、前代未聞の斬新な試みを導入しています。私も既に複数の作品を購入させていただきました。

現代アートとは単に作品を美術的な観点から鑑賞するだけではなく、社会の問題を提起する力も持っています。イギリスの有名なアーティスト集団バンクシーがその代表です。

MAGOさんは、自らのアーティスト活動を通じ、スラム街撲滅を目標に設定。バンクシーのような単なる問題提起にとどまらず、問題解決の壮大なチャレンジを始めています。

アートの世界で、優れた作品を作るアーティストはたくさんいます。でも、アートというフィールドを自ら飛び越えて、アートのパワーで世界を変えようとする人は見たことがありません、

秀才は決められたフィールドの中で優れた結果を出せる人、天才は未知のフィールドを自ら創造する人。このように定義すると、MAGOさんは明らかに後者です。

豊かな先進国と経済的に恵まれない新興国の経済的ギャップをアートがフラットにしていく。アート作品が売れることで、材料となるスラムのゴミも減っていく。

MAGOさんのビジョンに共感し、作品を購入することで、ガーナだけではなく世界の同じような環境に置かれている人たちが平和で幸せに暮らせる未来に近づくことができるのです。

MAGOさんのパッションと資本主義社会への深い洞察が、世の中に大きな変化を与える可能性を感じる素晴らしい個展でした。

長坂真護展は、上野の森美術館で11月6日まで開催していますので、是非足を運んでみてください。今までの美術展とは異なる刺激を受けると思います。そして作品を購入することで、MAGOさんと同じ船に乗ってください。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年10月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。