政府は、総合経済対策の柱の一つである「新しい資本主義」を加速させるために、職務を明確にして専門性や能力を重視する「ジョブ型」雇用を促進していく意向があるそうです。
年功給から「職務給」移行、転職・副業促進も…「新しい資本主義」概要判明https://t.co/3MQrQGCSCl#経済
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) October 2, 2022
日本で長年続いてきた「メンバーシップ型」の年功制の雇用形態からの移行を図りたいということですが、それがすんなり進むのでしょうか。
ちなみに、ジョブ型雇用とは、企業があらかじめ定義した職務内容に基づいて必要な人材を採用することを指します。 それに対置されるのが、メンバーシップ型雇用で、終身雇用を前提に総合職として採用し、配置転換しながらスキルを獲得させていく日本型雇用のことを指します。
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実力が問われてきてしまうので、すでに権利を持っている正社員の中には反対する人は多いでしょう。一度入社してしまうとまず解雇されないので、リスキリングもDXも進まず、日本の停滞の一因と言われてつづけています。
「ジョブ型雇用はリストラのリスクが~」とか言ってるオジサンがいたら「ああ、この人、自分が実力以上に貰ってる自覚あるんだな」と生暖かい目で見守ってあげましょうw
— jo shigeyuki (@joshigeyuki) October 7, 2022
いくら職務内容や就労条件を明確化しても、日本企業の業務の仕方では、本当の意味で「ジョブ型」にならないのではないでしょうか。
将来の勤務地や仕事の内容を従業員に明示。厚生労働省が企業に求めます。入社時だけでなく、全ての社員に示す仕組みを検討。「ジョブ型雇用」の広がりを受け、就労条件を明確にします。https://t.co/OF9CCb27Hs
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 30, 2022
しかし、そもそも判例で指名解雇ができなくなっているので、ここでいう「ジョブ」は意味がないのではないかという指摘があります。
解雇規制を緩和しないジョブ型移行は無意味。。
>ジョブ型へ移行指針、官民で来春までに策定 岸田首相: 日本経済新聞 https://t.co/mvaDgjlKev
— 田端塾長@田端大学 10月の新規加入を受付中! (@tabbata) September 24, 2022
職務定義書に定義された仕事が消滅すれば、その職務を担っていた人は原則として解雇できないと、流動化もリスキリングもないですよね。人間は易きに流れますし。
日本でジョブ型雇用の導入が始まっている今を捉えて、この件を広く議論しないとけない→ジョブ型雇用にはもう1つの側面がある。会社都合による解雇が容易にするということだ。職務定義書に定義された仕事が消滅すれば、その職務を担っていた人は原則として解雇せざるを得ない(「極言暴論」から) https://t.co/yQDplvKpTo
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) October 5, 2022
メンバーシップ型だからこそ、パイが増えなくなっている気がするのですが、そうではないという見方もあります。一部の人の安定はそれ以外の人の不安定の原因となっています。氷河期世代で職からあぶれてしまった人が典型です。
「さらに2010年代以降進んだのが所定内手当の削減だ。…廃止するのはもちろん人件費を削減するだめだが、その理屈付けに使われているのが職務給あるいは役割給と呼ばれるジョブ型賃金制度の導入だ」
経済のパイが増えない中での“働き方改革“は“改悪“にしかならない。 https://t.co/zqBm10dV7x
— リフレ女子 (@antitaxhike) September 16, 2022
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結局、ジョブ型雇用騒ぎは、日本社会・経済の根本的な問題に光を当てているようです。
この背景には「正社員以外の有期雇用は許さない」という厚労省のパターナリズムがある。ジョブ型雇用などという珍妙な言葉をやめて、雇用契約は一方の自由意思で解除できるという「契約自由の原則」に立ち返るしかない。https://t.co/NQ5yDjdSsf https://t.co/bP9jBJux4G
— 池田信夫 (@ikedanob) October 1, 2022
まずは入省年次や当選回数だけで処遇を決めないでほしいですね。