企業が従業員に支払った休業手当を国が補助する「雇用調整助成金」(雇調金)のうち、コロナ下での不正受給が総額135億円になったということが明らかになりました。ただし、102億円はすでに回収されているとのことです。
コロナ下…雇調金の不正受給は総額135億円に 102億円は回収https://t.co/AeKquyyiIc
「雇用調整助成金」(雇調金)をめぐり、コロナ下での不正受給が9月末までに920件、総額135億円にのぼることが厚生労働省への取材で分かりました。 pic.twitter.com/g0IzkFmMqK
— 朝日新聞デジタル (@asahicom) October 16, 2022
厚生労働省は、コロナ禍を受けて雇調金を拡充した2020年以降、雇用保険に非加入の非正規労働者らの休業手当を補助する「緊急雇用安定助成金」も含めた不正受給額を集計しているとのことです。
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迅速化・簡略化したのが問題だと言われていますが、当時の雇用調整助成金の窓口はパンク状態でした。
支援策を列挙して満足している国会議員たちよ!現場に出て現実を確認せよ!雇用調整助成金の窓口も融資の窓口もパンク状態やぞ!数千万円の収入が保障され、事務所家賃も秘書人件費も100%税金で保障される中、家でのゆったりしたライフスタイルを自慢げにツイートしている場合じゃない。現場に出向け!
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) April 21, 2020
当時は出すべきだという意見も多かったし、出すべき局面でもありました。
【雇用調整助成金】更なる拡充へ?とか政治家、官僚が申しておる。
バカか?コレの財源知ってるか?毎月の給料から天引きされ続けた「雇用保険」ってヤツだ。保険って困った時の為に掛けとくモンじゃねぇのか?今がまさに困った時じゃねぇのか?それをツベコベ条件付けやがって。黙って全額出せよ💢— 生田よしかつ (@ikutayoshikatsu) April 25, 2020
一方、朝日新聞が騒ぐ割には全体と比べて不正が少ないとの指摘も。
雇用調整助成金の支給総額は6兆円を超えてるはずで、不正受給未回収分の33億円はその0.05%程度。大急ぎで配った割にちゃんとしてたわけね。#マスコミが実数を出したら比率を見よ
コロナ下…雇調金の不正受給は総額135億円に 102億円は回収(朝日新聞)https://t.co/OJuT8nmUrv
— モト@FullyVaccinated+1 (@29silicon) October 16, 2022
雇用調整助成金がインフレ対策になったかもという指摘もあります。
日本の労働市場発のインフレ要因の少なさは、もちろんデフレ体質の賃金構造の影響が大きいが(加えて春闘とかの定番的存在)、同時に注目しているのが、コロナ禍で雇用調整助成金で雇用を強制的に維持していた効果が結構でかいと思う。ユーロ圏の一部の地域と共通。アメリカのインフレとの違いでもある
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) October 16, 2022
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ただし、この後始末はどうなるのでしょうか。
雇調金拡大の後始末 負債3兆円、返済に30年?https://t.co/Tfu1fZ9TP9
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) October 9, 2022
ほんとうの問題はこれから顕在化するという見方があります。「企業倒産」も抑制し、「社内失業」も温存しました。
コロナ不況の最中に、倒産ゼロになる日本。バラマキ給付金と雇用調整助成金のおかげだ。 https://t.co/RAd0sttxFK
— 池田信夫 (@ikedanob) December 29, 2021
日本の雇用調整はいびつな形となっています。
クビに出来ないから少数の正社員にいっぱい残業させる→過労死、非正規雇用雇ってそっちだけクビにして雇用調整→格差、いざって時にクビに出来ないから出来るだけ賃金抑制→内部留保、ってちょっと考えれば常識だと思うんだけどねえ。
— jo shigeyuki (@joshigeyuki) November 1, 2020
雇用調整助成金の問題は、図らずもほんとうの日本の課題を浮かび上がらせました。