パリ国立オペラ座、ベッリーニ”カプレーティとモンテッキ”。
生粋のワグネリアンなので、ワーグナー作品以外はあまり見ない(100歩譲ってシュトラウス)。でも今日は、ドニゼッティやベッリーニなどベルカント系大好き友人のお誕生会。多分生まれて初めての、生で見るベッリーニ作品。
楽しく見られるかな~、とちょっぴり不安だったのだけど、結果的に、極上ソワレ!
まず演出のロベール・カーセン、大ファン。この人の、シックですっきり分かりやすく、音楽や台本に忠実な演出、好み。
今好きな演出家は、カーセン、ヘアハイム、ルパージュ。ルパージュは、まだ映像でしか体験してない。生で体感したら、あの美しさとスペクタクル感、すごい感動なんだろうなぁ。
今日の舞台は90年代初演だけど、全く色褪せない、シックでエレガント、そして象徴的な演出。やっぱりいいな、カーセンの世界観。
歌手、揃ってかなりレベル高い。特に、ジュリエッタのジュリー・フックス、最高~♪リリックでドラマティックで、よく”歌う”声。演技もいいし美しいし、この作品にピッタリ。テバルドのフランチェスコ・デムーロも素晴らしい。ソリストのみならずオペラ座合唱もかなり出来がいい。
この作品、主役二人以外、ソリストも合唱も男性のみというユニークな歌手陣。
ベッリーニの情緒あふれるメロディを、オペラ座オーケストラが、(珍しく)ちゃんときれいに響かせている。オケも頑張ってるけど、これ、スペランツァ・スカップッチの指揮がとってもよいのだと思う。前奏曲の盛り上げ方もいいし、歌手に寄り添う感じもとてもいい。
「作品、オケ、歌手、演出、全ての面ですごくレベル高い!ここしばらく、演出にげんなりしてオペラ座来てなかったけど、これを機にまた通うよ~」と、友人大喜び。
今宵のプロダクションに関わった全ての人&お誕生日の友人に、グラスを掲げる。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年10月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。