長引かせると自民に不利な旧統一教会問題:宗教はなくなるものでない

小室圭さんのNY州の司法試験合格、まずはおめでとうございます。今まではメディアのプレッシャーが大きかったと思いますが、今後は自分との戦いになります。NYなら石を投げれば弁護士に当たると言われるほどで、日本の司法試験の意味合いと違い、ここからが本当の熾烈な戦いになります。英語がネーティブではなく、特別な生活環境から情報集めや人間関係の構築もたやすくないでしょう。弁護士も起業家と同じです。ようやくスタート台に立ったところ、これからの成長を期待したいと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

まだ底打ちしていない株式市場

NY市場を一言で言うなら「失った方向感」でしょう。以前指摘したように今の主題は利上げ幅ではなく、企業決算と景気後退の行方です。いち早く始まったアメリカの決算発表は一喜一憂ですが売り上げや利益が下がっているものの事前予想と比べてよかったかどうかで株価が反応しているので市場の目が騙されている状態にあります。業績が悪くなっていることは事実なのでこれで株価が継続的に上がるわけがない、と申し上げておきます。

気になったのはツィッターを結局買収するイーロン マスク氏が同社の従業員約7500人を2000人にまでカットすると述べている点です。彼のつぶやきがどこまで本気度があるのかわかりませんが、もともと従業員は多すぎたとされる同社ですので個人的には段階的に相当減らすのだとみています。段階的だと想定する理由は、マスク氏のことですので技術を使った自動化を推し進める算段なのだと予想しています。これはツィッター社に限らず、何処も同様で技術が人材採用の頭を押さえる時代は確実に来るでしょう。私は今のアメリカの失業率は出来すぎだと思っています。

前向きの話をするとすれば機関投資家などは現金比率が非常に高く、買いのタイミングを虎視眈々と狙っています。サプライズが出るとすれば今から11月半ばぐらいまでですから状況の見極めに入っているとみてよいでしょう。懸案のクレディスイスは破綻しないと思います。かつてドイツ銀行が潰れるのでは、と言われましたが、私はあの時に同行の株を底値で購入していました。潰すわけがないと確信していたからです。金融機関が落ち着いているなら市場はまだ疑心暗鬼ですが、出口は近いかもしれません。

ダウニング街10番地の次の住民

英国のトラス首相の辞任は当然の末路でした。私もこのブログで選挙戦の時から期待感ゼロ、短命に終わると申し上げてきました。以前、首相をしていたメイ氏と似たところがあり、気が強く、要領よく大臣畑を長く歩み、たまたまステージでセンターを務めることになったけど踊りが下手だとばれ、感情だけが前に出た、それだけです。多分、トラス氏は多くの人の記憶からすぐに消えるでしょう。

ではダウニング街10番地の次の住民は誰なのでしょうか?様々な候補者の名前が挙がっていますが、基本は前回党首選で最後まで戦ったリナ スナク氏、会員院内総務で前回の党首選では3位だったペニー モーダント氏、そしてボリス ジョンソン氏の3人の誰かでしょう。下院議員357人から党首選に出るのに100人以上の支持がないとダメなので物理的に3人しか立候補できません。個人的にはスナク氏対ジョンソン氏の対決を予想しています。では、お前はどう見てるのか、と言えば微妙な勝負に見えます。

スナク氏は若いこと、インド系であること以上に嫁がインドの大富豪である点と英国風のテイスティな感じがしない点が私見ですが、英国人に受けない気がするのです。頭も非常に賢いですが、前回、ジョンソン氏に盾突いた点も正直いただけません。ではジョンソン氏ですが、まるで英国のトランプ氏のような扱いで盛り上がりも見せています。7月に世論と議会に叩きのめされて辞任させられた時とは雰囲気が違います。とっ散らかった英国をもう一度整理するには経験者で独特の風格をもつジョンソン氏が周りには安心かもしれません。

長引かせると自民に不利な旧統一教会問題

旧統一教会の被害者救済策をとして自民、公明、立憲、維新の4党が委員会を立ち上げ、今国会中に法案をという動きが出ています。これに自民が「野党案はだらしない」と発言して悶着させています。これは自民の失態です。そもそも自民にとって旧統一教問題はさっさと終わってほしい問題でもあるので全力で今国会で法案可決を目指すべきでしょう。岸田氏も朝令暮改と言われ、パッとオーストラリアに逃げてしましたが、人の話を聞きすぎて判断できなくなっているように見えます。

では被害者救済の点ですが、お布施、献金を取り戻せるか、であります。個人的にはそうすべきと考えています。人間の判断力は常に正しいわけではありません。但し、間違えたからどんな場合でも取り戻せるとすればそれはタイムマシンで後ろに戻れることを意味し、禁じ手となります。例えば買った株がとたんに下がった、実は発注ミスなのであの買い注文はなかったことにする、ということはできません。

一方、明らかに正常な判断ができない身近なケースに認知症の方があります。この場合、禁治産者ととして後見人がつくわけですが、その方が認知症なのか、どの程度の判断ができるのかは、厳密な定義がありません。運転免許もどこまで運動能力や判断能力があるか、試験こそあれど定義はないのと同じです。ならば精神的に落ち込み、宗教に頼りマインドコントロールされたという具体的で論理性のある判断ができるのでしょうか?

多分ですが、その方の身の丈に合わず、長年の生活習慣とは大きくかけ離れた献金等を行ったことを家族が証明することで裁判所の判断をしてもらうのでしょう。しかし、これはあくまでもお金だけの話。元オウムの上祐史浩氏が「宗教は消えてなくなるものではない」とコメントしている点が気になっています。旧統一教会を潰しても新たに別の宗教団体をたちあげれば何ら怖くないということです。

自民党HPより

後記
バンクーバーの市長に中華系のビジネスマンが現職を圧倒して当選しました。政治経験ゼロ。ビジネスは私どものライバルとなる訪問介護最大手の創業者です。とても貧しい家庭からスタートしたよくある這い上がるサクセスストーリーで彼はビジネスと市長のポジションのみならず市議も自分の配下のグループが7割を支配しました。ここまでやると、あっぱれです。這い上がるチカラ、我々が忘れかけている言葉ですが、私は今でもよじ登っています。私は普通の家庭に育ったけれど北米では本当に苦労しています。こんな話を身近で聞くと勝負に挑まない訳にはいきません。血が騒ぎます。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年10月22日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。