「納税という社会貢献」をしながら感じる違和感

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ボランティアや寄付のような社会貢献活動を否定するわけではありませんが、事業経営者が最初にやるべきは、本業で利益を出して納税することだと考えています。

社会貢献活動に精を出す前に、まず自分の仕事から付加価値を生み出し、その利益から経済活動に必要な税金を納めることが先決です。

2012年に設立した株式会社資産デザイン研究所は、今年の8月に10期目の決算を迎えました(写真)。

 

創業から毎年黒字決算を維持し、今期も数千万円の納税を行います。経営者としての義務は果たしているつもりです。

納税こそ社会貢献の第一歩であり、赤字企業が税金も払わず、社会貢献を行うのは順番が逆のように思います。

ただ、毎年納税をしながら、何となく違和感を感じてしまうのも事実です。

まず感じるのは、税負担の不公平感です。いわゆる節税によって、同じ収益を上げた場合であっても納税額は大きく変わってしまいます。

私も合法的な節税を行っていますが、タックスコントロールのために自分の時間を割くのは、生産的とは思えません。

また、収めた税金の活用に関しても、非効率で首をかしげることが多いのです。

例えば、最近で言えば、コロナ対策としての国や地方自治体からの様々なサポート。確かに救済できたケースもたくさんあるでしょうが、焼け太りになってしまうような過剰なものも目立ちました。

今月は、国内の観光振興策で様々なクーポンが配布されていますが、これも賢い税金の使い方なのでしょうか?

もらえるものに文句を言う人はあまりいないでしょうが、これらはもらっているのではありません。国から受け取るサポートのツケを最後に払うのは、国民の税金からです。

納得のいく徴収方法で税金を集め、納得のいく使い方をしてもらいたいと思うのは私だけでしょうか?

月末の納税期限が迫っている中、気持ちよく納税できるようになりたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年10月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。