男の子育て(第2回):子どもと同じ目線で話をする

男の子育て第二回は、幼い子どもとのコミュニケーションについて考えたい。

「物理的に子どもと同じ目線で話をする」というのは、私が誰かに教わったことだ。

理由は訊ねなかったが、我々大人でも自分の2倍以上も背丈のある人間とは話をしづらい。

幼い子どもから見れば、大人は背丈が2倍以上ある大男と同じだ。ざっくばらんに話をしようとするなら、物理的な目線を合わせよう。

ソファに座っている時は子どもを立たせて目線を同じにしたり、立っている時なら自分が膝を曲げて目線を同じにしよう。

膝を曲げるくらいたいした労力じゃない。

「行ってきます」を言う時に膝を曲げて言う程度の工夫ですむ。

たったそれだけで、子どもが安心して信頼感を抱いてくれるのなら万々歳だ。

少し話をするときは「聞き役」に回ろう。

ずいぶん昔の調査で、小学生と親の双方に「コミュニケーションはとれているか?」というアンケートを取ったら、親の7割が「とれている」と回答したのに対し「とれてる」と回答した子どもは4割しかいなかった(割合は私の記憶なので少々違っているかもしれない)。

つまり、親の方が子どもを聞き役にして一方的に話をしているケースが極めて多いということだ。

聞き役に回っている子どもは「コミュニケーションがとれている」とは思っていない。

言葉を発し始めたばかりの子どもの話にじっくり耳を傾けるのは、時としてまどろっこしくなる。
しかし、ここが我慢のしどころだ。

自分の話に耳を傾けてくれる親に対して、子どもは信頼感を寄せ好きになるものだ。

デールカーネギーの「人を動かす」でも、真剣に娘の言い分を聴こうとしたことから親子間の確執がなくなったという逸話が紹介されている。

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編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年10月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。