国民民主党の玉木雄一郎代表は国会の多忙なスケジュールを縫って全国を飛び回っています。10月30日(日)には横浜市にやってきました。
「衆議院小選挙区10増10減」を反映して、従来18区だった神奈川県には新たに2つの選挙区が設定されます。玉木代表はその布石として新設される「第19区」に深作ヘススさんを「総支部長」に任命したとのことです。その深作さんと共に、玉木代表は街頭演説とタウンミーティングを展開しておりました。
横浜市は地元なので演説を楽しみに出向いてみましたが、そこで「国民民主党の力の源泉」を強く実感させられました。今回はその力の秘密について、感じたことをお伝えしてまいります。
SNS告知も活用した機動的な全国行脚
今回の来浜を私が知ったのは2日前となる28日で、下記のような玉木代表ツイッターの告知によるものでした。
【告知】日曜日の横浜で、街頭演説&タウンミーティングを行います!衆院選に向け再起動した深作ヘススとともに、国民民主党の経済政策や安政策を訴えます。武蔵小杉の街頭演説で聞いた1人の学生の声が電気代値下げの追加公約となり、政府の政策として実現しました!皆さんの声を聞かせてください。 https://t.co/L97eQ2rID2
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) October 28, 2022
しかし29日に玉木代表は、新潟で同様のタウンミーティングを開催しておりましたので翌30日に横浜訪問とは本当にタフです。しかし本人は平然とこなしているように見えます。「優雅に見える水鳥も水面下では一生懸命脚を動かしている」ということでしょう。
「横浜訪問」はローカル情報ですが、私はツイッターで玉木代表をフォローしているので告知は確実に届きます。全国的にも同様でしょう。「たまきチャンネル」で政治に関心のある層のアイキャッチをしておいて、SNSで接触機会を周知する認知戦略は効果的だと考えます。
重点攻略地域の選定方法も秀逸
地域色の強い話なのですが、今回誕生予定の「神奈川県19区」は「川崎市宮前区」と「横浜市都筑区」が対象であり、新興住宅密集地(若い世代が多い)です。そのため、学生や子育て世代など、若年層を強い支持層とする同党にとっては、この19区は大変相性の良い地域だと推測できます。
つまり今回の「10増10減」によって2選挙区増加する神奈川エリアは、同党にとってチャンスの地であり、その好機を生かすために、将来の衆院選を見据えてこの地を「重点攻略地域」として選定したということでしょう。好適地でいち早くタウンミーティングなどを仕掛ける戦略は勝利の布石として申し分ないと感じました。
また、前日訪れていた新潟は、「10増10減」で6選挙区から5選挙区に1つ減ってしまう地域です。推測ですが守りの戦いだったのでしょう。
わずか1週間前の10月21日に閣議決定された法案に臨機応変に対応し、攻めと守りの戦略を実行している国民民主党は、“指揮官”に加え“参謀”に切れるスタッフがいるに違いありません。
集まった聴衆の属性
聴衆や記念撮影を待つ人々を見ると推定20代から30代の大学生から社会人くらいの人々が中心と思われます。ベビーカーを押しながら乳幼児を連れた若い親子世代もいました。玉木代表が発信したツイートの写真からも若い世代(聴衆の頭髪が黒いなど)が集まっていることが見て取れます。
深作ヘスス@FukasakuKj 再スタートを宣明する街頭演説会&タウンミーティングは大盛況。多くの人が足を止めて演説を聞いてくれました。タウンミーティングでは質問が止まらず、質疑のやりとりは千本ノックの様でした。深作ヘススと共に日本の政治、政策を変えていきます。ご期待ください!#国民民主党 pic.twitter.com/zwjcQZ8pFp
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) October 30, 2022
開催場所の「港北ニュータウン」という土地柄もあって、集まったのは若い世代が多いのは当然ですが、5月に横浜駅西口で玉木代表の演説が行われた時もそうでした。その時は「ベビーカーを押した親子が多いが、横浜駅は巨大な駅なので若い利用者が多いのではないか」と考えていましたが、商業地(横浜駅)でも住宅地(ニュータウン)でも同様の世代が聴衆として集まっていました。
その要因は、①同党が掲げる諸政策やスローガンに若い世代の支持を取り付ける魅力がある、②は同党のマーケティング戦略が秀逸、これらではないかと推測します。
明るくフランクなスタッフ
ビラを配ったり聴衆を案内したりするスタッフが、明るくてフランクなことも同党の特徴でしょう。これは玉木代表の明るく接しやすいキャラクターが党内部の雰囲気をつくり、それが自然と滲み出ているのではないかと考えます。
また他の党に比べてスタッフも若い人が多い印象があります。これは、同党支持層である若い世代の人々が支援したいと考えボランティアスタッフとなっていることに原因がありそうです。あるいは将来政治家を目指す若者を鍛えているのかもしれません。
内部事情を知る立場にないので原因分析は推測ばかりとなりますが、代表のキャラクターが相当程度、組織を染めていることは間違いないでしょう。他党を”舌鋒鋭く”論難して自ら悪魔化して行く他の党にはない特徴ではないでしょうか。
「声を国政に反映させる実績」は希望そのもの
今回政府が発表した経済対策の目玉施策の一つに“電気料金値下げ”がありますが、これは国民民主党が前回の参院選で追加公約にかかげ、玉木代表が10月の国会代表質問で総理に提案し、その後直談判で“レクチャー”した提案が実現したものです。
先の玉木代表ツイッターによれば、その政策のもとは「街頭演説で聞いた声」だということです。
武蔵小杉の街頭演説で聞いた1人の学生の声が電気代値下げの追加公約となり、政府の政策として実現しました!皆さんの声を聞かせてください。
(前掲玉木代表ツイッターより)
「代表みずから全国を飛び回り、そこで交流した国民の切実な声を国会に届け、具体的な政策として実現させる。」このような政治活動を実践し、若い世代の声から成果物を生み出す国民民主党を見れば、それは面白いものです。若い世代も政治に無関心ではいられないでしょう。
むすび:国民とともにある国民民主党
以上、本日の街頭演説で感じたことを列挙しました。国民民主党が元気な理由をまとめると、
戦略的な階層としては
- リソースを政界内紛争ではなく国民の声に集中投下する
- 大票田「高齢層」ではなく「若年層」にメリットの多い政策を掲げる
などが抽出できるでしょう。
それを実現するために採る戦術としては
- 代表自身が日本全国を飛び回り、地域の党員と一体となる機動力
- SNSや動画配信を活用した宣伝力
- 環境変化対応力(速さ、質、量)
などが挙げられるでしょう。
もちろん、街頭演説で見せる姿は「表の顔」ですので、それ(良い面)ばかりみて党を判断するのは早計です。しかし「対決より解決」をスローガンに掲げ、他党のような与党攻撃(党利党略)とは距離をおき、玉木代表率いる国民民主党が選挙終了後も常に国民の身近で話を聞いてくれて、国会で政策に反映しているのは紛れもない事実です。「選挙が終われば手のひら返し」の代議士は普通ですからこの姿勢は本当に貴重です(遠巻きに見ているだけのつもりだった筆者も思わず記念撮影をお願いしてしまいました)。
今回の訪問で感じたことは、お世辞でなく今後の飛躍を予感させる雰囲気があったことです。「力の秘密を暴露するのは妨害になるかもしれない」とも考えたのですが、容易に真似ができる活動ではない上に、仮に真似されたとしても国民の声を国政に届ける党が増えれば与野党が切磋琢磨して日本を活性化させるので大歓迎です。「たとえふりでも善行を全うすれば善人」ということでしょう。
国民民主党の活躍に今後も注目してまいります。