ついに岸田内閣の支持率が、11月6日の30%台になったと話題になっている。NNNと読売新聞が11月4日から6日までにおこなった世論調査で、支持率が36%(前回は45%)、支持しないが50%となった。
ただ、すぐにでも退陣しろというわけでもなく、次の総裁選挙がある二年後までは、そのままでいいという人が多いようだ。
しかも、自民党・公明党の支持率は合計で36%だが、立憲民主党、共産党、れいわ、社民党の支持率を合計しても10%だから、政権交代など望んでいるのは少数派だ。
こんなことになっている背景として、総理にしたいと思うような政治家がいないということがある。
立民、維新、国民民主あたりをみても、宰相候補とみられる人は誠に少ない。むしろ、期待すべきは、現在の国会議員でない人たちかもしれない。
11月末に刊行する、『日本の政治「解体新書」~世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)では、そういう問題も扱ったのだが、そのなかで、知事経験者も期待できるという話も書いた。
1993年の細川政権樹立は、熊本県知事だった細川護熙と、滋賀県知事だった武村正義が中心になって実現したわけだが、当選回数は少なくとも、県知事という大組織のトップだった経験は、即戦力としていちおう機能した。
最近、三重県知事から昨年の総選挙で国会に転じた鈴木英敬代議士といろいろ話していたのだが、そのときに、二人で数えたら、現在は元知事が11人も国会議員になっていることが話題になった。
高橋はるみ(自民・北海道)、福田富一(立民・栃木)、上田清司(無所属・埼玉)、猪瀬直樹(維新・東京)、松沢成文(維新・神奈川)、泉田裕彦(自民・新潟)、鈴木英敬(自民・三重)、嘉田由紀子(無所属・滋賀)、太田房江(自民・大阪)、尾崎直道(自民・高知)、古川康(自民・佐賀)もいる。
私は知事の多選は好ましくないと思っているが、もし、2期までとかにしたら、国会と知事と両方経験する政治家はもっと増えるだろう。
また、全国の知事のなかには、大阪の吉村洋文、北海道の鈴木直道、千葉の熊谷俊人、兵庫の齋藤元彦、長崎の大石賢といった40歳代の知事もいるし、官僚出身で知事をつとめれば、一回生でも閣僚が十分につとまる。
そういう意味でも、彼らが日本の政治の閉塞状態を破る原動力になるかもしれない。