解散総選挙で勝てるのは誰か?

岸田政権の足元

岸田政権の足元が大きく揺らいでいる。

相次ぐ閣僚の辞任で岸田総理の任命責任が問われるのは当然だが、岩盤支持層である保守層と、不甲斐ない野党よりはマシと思って自民党議員に投票した無党派層ですら、岸田総理には三行半を下しそうな勢いだ。

岸田総理へ不信感の一端は、決断力の無さや、場当たり的に後手後手に回ってる手法だとは思わない。

率直に言って、ブレーンがいないからだろう。

岸田内閣の支持率30.5% 政権発足以来“最低”更新

岸田内閣の支持率30.5% 政権発足以来“最低”更新
 岸田内閣の支持率が政権発足以来、最も低い30.5%であることがANNの世論調査で分かりました。  調査は19日、20日に行われました。  岸田内閣の支持率は、先月よりさらに下がり、30.5%でした。支持しない人は先月より増え、44.7%でした。  山際前経済再生担当大臣や葉梨前法務大臣の辞任を巡る対応について、...

自民党は独特の派閥の論理が働き、閣僚任命についてもバランス感覚を必要とする人事を求められる。当然だが、重箱の隅をつつく野党がいることを考慮して、十分な身体検査をしてるだろうが、当然、微に入り細を穿つだけの身体検査が出来るとは言い難い。また、派閥の領袖からの推薦を無碍に断る事もできないだろう。その意味で、岸田政権が参院選後、人事問題に振り回された党内事情があることも分からないではない。

安倍元総理のような政治力、胆力がある自民党総裁はそう多くはなく、結局、岸田総理もその他大勢の安倍元総理以外の総理と同じだったと言うだけだ。

これは恐らくだが、自民党内にも浸透しているのではないだろうか?

安倍元総理の時、細田派、現在の安倍派の勢いは凄まじく、保守本流と言われた宏池会は多少隅に置かれていた感もなくはない。その中にあって、安倍元総理後、自民党内で安倍元総理イズムを継承する菅総理が登場したのは、むしろ当然と言えば当然で、安倍元総理の影響の大きさを受け止め切れる総裁候補は多くはいなかった。

だからこそ、安倍色が残る自民党を保守本流の宏池会が取り戻したいと言うのは積年の宿望だったろう。ただ、だからと言って岸田総理が安倍元総理、菅前総理の重責を担える力量があったのかは、大いに疑問が残る。

岸田総理は安倍元総理あっての岸田さんだったと思える。というか、そう表現する方が、岸田総理の本質を喝破してるとは言えないだろうか?

統一教会問題は安倍元総理暗殺をきっかけに、野党はモリカケの時同様、マスコミを巻き込んで、騒ぎ立てているが、国民が本当に関心があるのは、統一教会ではないだろう。勿論、個々人の受け取り方で変わってはくるが、むしろマスコミが野党議員と協力して世論誘導すべきは、どうでもいいカルト宗教問題ではなく、最も大きな問題は経済だろう。

今、取り組むべき課題とは?

現在の円安を活かした輸出産業の興隆と、製造業のサプライサイドの再構築が重要だと、以前から指摘してきたが、もっと重要なのは、国内の需要喚起であって、それは政府が景気のテコ入れをする以外に方法はない。ただ、コロナ禍を経て、既にコロナは恐るべき病ではなく、予防と治療を必要とする感染症になったのだから、むしろ経済を止めない手法をとるべきだ。

例えば、埼玉県の大野知事は緊急事態宣言並みの対策を講じるべきだと言ってるが、それはコロナ禍が未だ続いていることを言ってるに過ぎない。それが本当に重要だろうか?

レベル4避けるため「緊急事態宣言並みの制限」検討を 埼玉・大野知事、新型コロナ対応で

レベル4避けるため「緊急事態宣言並みの制限」検討を 埼玉・大野知事、新型コロナ対応で(産経新聞) - Yahoo!ニュース
埼玉県の大野元裕知事は21日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況に関し国が設けた新たな4段階のレベル分けで、医療全体が機能不全に陥る最も深刻なレベル4の「医療機能不全期」に至らないよう出す「医

むしろ、欧米各国のように経済をコロナ禍以前に戻すための努力をすべきで、それは新型コロナウイルスの扱いを変える以外にない。確かに大野知事は、新型コロナウイルスの扱い自体が現状のままであるならばこその発言とも言える。

それなら、医学的見地を明確にして、コロナ禍による死者数と、感染者数全般の推移を比較するなり、より国民に予防を前提とした新型コロナウイルスとの付き合い方を示すべき段階に来ているだろう。厚労省は、政府分科会の尾身会長の発言に見るような専門家による第8波警戒の発言に即していて、軽々な発言は控えている。

加藤厚労大臣「2週間後には前回のピークを超える可能性も」感染者の急増に警戒感

加藤厚労大臣「2週間後には前回のピークを超える可能性も」感染者の急増に警戒感 | TBS NEWS DIG (1ページ)
新型コロナの今後の感染状況について、加藤厚労大臣は「2週間後には“第7波”のピークを超える可能性も想定される」との見通しを示しました。加藤厚労大臣「現在の増加傾向が前回の感染拡大と同様のスピードで継続… (1ページ)

だが、現在の中途半端な状況を放置しているようにも見える。むしろ、政府分科会は政府に対応を丸投げし、政府は政府で分科会の見解に依存し過ぎているように見える。

では、ここで問題になるのは何か?

政治決断以外にないように思う。

解散総選挙はあるか?

そこで、政府を追い詰めているつもりの野党は、維新と立憲民主党の連携を模索する動きもあるが、そもそも正反対の意見を持つ両党が協力できる素地は無い。むしろ、維新は政府を牽制し、立憲民主党は一向に伸び悩む支持率を補完するために維新に擦り寄ってるようにしか見えない。

一方で統一教会を追い詰め、閣僚の中に次々と出てくる問題で岸田総理の任命責任を問うている野党は、今だったら解散総選挙に持ち込めると思っている人もいると聞く。

ただ、国会議員は選挙の厳しさをよく知り、また現実に選挙に持ち込んだ場合の勝算はある程度見えているもので、仮に解散総選挙になったとしても、そう簡単に政権奪取とはならないと思っている議員が大半だろう。それがあるから、今から維新に秋波を送ってもいるのだろう。確かにそれも政治の一面だが、維新にしてみれば、立憲民主党から議員をリクルートする格好の機会くらいに考えているのではないだろうか?

また、消費税減税を打ち出したことは失敗だったと語った立憲民主党の枝野前代表は、一部では党を分裂させ、新しい党を作る狙いがあるとも聞く。仮に野党第一党が割れることになれば、ますます自民党の一強体制になる。

立憲民主党は、旧民主党時代を引きずっているかのように、現実路線や合理主義を嫌って、イデオロギーやスローガンを大切にし、政策より先に思想性を重視する政党のあり方を踏襲している。有権者の立場から見れば、どうして国民が喜ぶ政策、現実路線に舵を切らないか実に不思議でならないが、彼らはイデオロギーを優先する左派リベラル独特の信条があるのだろう。

立憲民主党の支持者を見ていても分かる。常に、LGBTやBLM、差別や人権、マジョリティよりマイノリティと、イデオロギーが政策よりも優先される。当たり前だが、そういった共産主義的思考は失敗する。イデオロギーや思想信条を先に決め、それを全ての行動規範にするものだから、具体化も合理化も応変自在な方針転換も何も、全ての融通が効かなくて失敗するのだ。東ヨーロッパの社会主義国家が失敗してきた轍を踏むのが、お勉強不足の日本の左派リベラルだ。要するに、無知なのだ。

支持者をそういう風にしてしまったは、旧民主党に属していた議員の責任だ。自民党の負の部分をあげつらい、政策とは無関係の所に執着し、社会で不満を抱える人を糾合することで支持率を上げようとした。確かに今、不遇な人もいるだろうが、そこに希望を見出すような建設的な政策提言ではなく、彼らの不満の吐口として国会質疑を利用し、あたかも共産主義が正しいかのように喧伝したのだ。

旧民主党議員の最大の罪はこの点だ。つまり一部の有権者に手の届かない「希望」を与えてしまったのだ。これは万死に値する。何故なら、結果的に彼らは国民に対して嘘を吐いたことになるからだ。

その旧民主党の流れを汲む一部の立憲民主党議員が、岸田政権の体たらくをあげつらい解散総選挙をすべきだと一部支持者を扇動しているようだが、では今の立憲民主党に政権担当能力があるか?と言われれば、旧民主党政権の二の舞になるとしか言えないだろう。

仮にそのことを理解しないで本気で政権交代など叫んでいるとしたら、愚かとしか言えない。

いつもそうなのだが、どうして日本の自民党以外の政党は間違えるのだろう?

何を間違えているかと言えば、それは自己分析だ。自分を分かっていない愚かさだ。自分たちの主張が国民に寄り添っていないから支持率が上がらないことを理解していない。

ただ、本当に今の岸田政権を倒したいなら、岸田総理の後任の総理が決まる前にやらなければならないだろう。

各党党首 各党HP・SNSより

現時点で解散総選挙が不可能な理由

そうなるように仕向けるなら、それはただ一つ、経済対策を突くしかない。今の統一教会問題を突いている間は、ただ印象操作をしてるだけの話で、無党派層を揺り動かすものでは無いだろう。無党派層は何も若年層に限ったことではない。現在、40代、50代の有権者の多くも、選挙に行かない。どうせ自民党が勝つんでしょ?と思っているし、その予測は大きくは外れない。働き盛り世代ほど、野党の本質を見抜いて、野党よりは自民党の方がマシだと考えている。

人々は現在の円安が日本のインフレを呼びこんしまったと勘違いしてるが、現在のようなグローバルエコノミーで資源、食糧が複雑なインセンティブを各国に与えてしまっている現状では、今回のようなアメリカ経済の過度なインフレ抑制のための利上げ政策は、即座に各国の通貨安を引き起こしてしまう。言い換えれば、不確定要素が複雑に絡み合う状況の中で、日本政府を責めるのは少しピントが外れた議論だ。

特に、デフレで通貨高が重要だと言う間違った経済理論を唱える人ほど、今回の円安に対して、他国同様に利上げ政策をせよと言う。確かに、「今」現在だけを問題にするなら、今後、どんどんインフレが加速するのでは?という心配が頭をもたげ、庶民生活に寄り添うフリをしたがる野党議員は耳障りの良い政府批判を繰り返すだろう。

だが、円高によるデフレ不況を経験した国民は、次第に何が今の日本に閉塞感を齎しているか?は、見抜きつつある。それは、間違った経済指標、間違った経済理論、間違った自称経済学者による、財務省寄りの財政健全化に寄り添う議論が体勢を占めていることの問題点だ。マスコミはただそれに便乗するだけで、財政法のドグマに陥った硬直化した財務省脳が、今のデフレ不況のすべての根源なのだ。

ではどうして御用学者や経済アナリストはそれに便乗するのだろうか?

端的に言って、官僚の天下り体質以外の何者でもない。元官僚の肩書は、各省庁の関連団体や法人の天下り先に好都合であり、誰もが政府とのパイプ役を欲する。そこに横たわる莫大な特別会計をチラつかせて、官僚は天下りを繰り返している。つまり、退官後の立場も約束され、特別会計という国民には見えない予算を手土産に天下り、それを伝統として後輩に引き継ぐ。国民に見せるのは、一般会計が逼迫して増税しなければ日本は危ないという実しやかな危機説だけを流布するだけでいい。こんな簡単な仕事はない。

そこに数多くの御用学者、経済アナリスト、マスコミがぶら下がっているだけの話だ。

だから、本当のことを言うリフレ派は、政府の要職には就けない。仮に要職に就いたとて、責任が伴っていないから、財務省の分厚い壁を切り崩すことは出来ない。

先の国会本会議において、外為特会の含み益を切り崩すことを質問した国民民主党の玉木代表のように、事実を白日の下に晒せる野党議員がいないことも大きな問題だ。

立憲民主党の階猛議員が如きは、大真面目に利上げ政策に舵を切れと、馬鹿げた話を繰り返す。彼の話は、「この人は本当に経済、財政、金融に無知な人なんだ。財務省のブリーフィングを大真面目に信じてる人なんだ」と言う以上の感想は無い。

野党が訴えるべきはむしろ逆で、今般の補正予算についても、補正予算だからこそ出来ることがあることをまず国民に理解してもらった上で、その使い道についてばら撒きでもいいから景気刺激策に向けることを国会で追求すべきなのだ。

つまりやってることが逆なのだ。

では、今の頭の悪い野党議員とその支持者が言うような、解散総選挙に向かった場合、野党は自民党に反することを公約にしなければならなくなり、その中身は煎じ詰めれば緊縮財政と将来の増税になってしまう。今、国会やあちこちのメディアで補正予算に文句を言ってる政党が、選挙になったら真逆の主張をした時、国民はどう受け止めるだろうか?

コレほど信頼の置けない政党に国政を任せたいと思うだろうか?