ほぼ毎日が「どうする?」:家康クライシス-天下人の危機回避術-

2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の主人公について、最新研究を踏まえて書かれたのが、濱田浩一郎氏の『家康クライシス-天下人の危機回避術-』(ワニブックス)である。家康とはいうまでもなく徳川幕府を開いた武将・徳川家康である。

主役の家康は、元・嵐のメンバーである松本潤が演じることになっているが、実際の家康のイメージとは似ても似つかないと多くの人が思っただろう。

江戸時代初期に、日本を訪れたスペインのフィリピン臨時総督ロドリゴ・デビベロは、家康を次のように描写しているという。

皇帝(家康)の歳は60歳くらいで中背の老人であり、尊敬すべき愉快なる容貌で秀忠公より肥満していた。(『ドン・ロドリゴ日本見聞録』

決してイケメンではないが、「尊敬すべき愉快なる容貌」で、外国人の尊敬を得ていたことがわかる。

家康は、織田信長(岡田准一)や豊臣秀吉(ムロツヨシ)と比べると、地味なイメージがある。しかし、学問にも熱心で、多趣味教養人でもあった。そして、その人生は、波乱に富んだものだった。ちなみに、家康の正室である築山殿は有村架純。

その家康には、生命を失いかねない幾多の苦難が何度も襲ってきた。

大河ドラマのタイトルのように「どうする??」と自問することが多々あったはずである。

しかし、家康は最終的に天下人となり、約260年続く徳川幕府を開くことになる。、織田信長や豊臣秀吉にはなしえなかったことである。

家康はなぜ天下を取ることができたのか?

読書の楽しみと歴史を学ぶ醍醐味とともに、この答えに近づくことができるはずである。

第1章 知られざる血塗られた家康前史
第2章 人質から三河国大名への道のり
第3章 強敵・武田信玄にどう立ち向かったのか?
第4章 主君?盟友? 織田信長との関係
第5章 天正十年の徳川家康
第6章 ライバル・豊臣秀吉との対決
第7章 “最強”を決めた関ケ原の戦い
第8章 豊臣家を滅ぼし天下統一へ
終章  徳川家康の国づくり

徳川家康像(狩野探幽画、大阪城天守閣蔵)