まだアクティブファンドで消耗してるの?

4年前に「なんで、まだアクティブファンドで消耗しているの?」というブログ記事を書きました。

アクティブ運用とは、自分で銘柄選択したりプロに運用を任せる運用によって、市場平均を上回る運用成績の実現を目標とする運用手法です。

これに対し、アクティブ運用のように市場平均を上回る成果を敢えて追い求めず、日経平均のような市場の平均値に連動する成果を目指すのがインデックス運用です。

平均点を着実に取りにいくインデックス運用の優位性は、徐々に日本の個人投資家にも認知されるようになりました。日本経済新聞電子版の記事によれば、グローバルな投資信託市場では、インデックスファンドの純資産残高に占める比率は40%近くまで高まっているそうです(図表を元記事で見る)。

takasuu/iStock

そして、同じ記事によれば、アクティブ運用のファンドの運用成績は、2022年(11月までのデータ)に関しては、例年よりもさらに低下しているようです。

世界の大型株で運用するファンド1116本のうち、11月末までのリターンがMSCIワールドインデックス(配当込み)を上回ったのは、291本と全体のわずか26%に留まる結果になりました。

インデックスファンドに比べ手数料の高いアクティブファンドを選んで投資をしても、コストが高い割に運用成績はあまり期待できず、消耗するだけです。

また、自分で銘柄選択をするのも、時間と手間がかかる割には報われません。こちらも一部の例外を除き消耗するだけです。

であれば、低コストのインデックスファンドを使った運用に特化し、余った時間は金融商品ではなく実物資産の選択に回すべきだと思います。

私自身、9年前に国内不動産とインデックスファンドを組み合わせたハイブリットな資産運用をはじめました。

これによって、資産運用のストレスは大きく低下し、お金の不安から完全に解放されました。

アクティブ運用している人は今からでも遅くありません。金融資産をインデックス運用に切り替えるべきです。

ただ、せっかくインデックス運用にシフトしても、金融商品だけに投資していては、これもまた消耗してしまいます。そこで出番なのが国内不動産です。

残念ながら、インデックス運用は個人投資家にかなり浸透してきたようですが、国内不動産投資は相変わらずキワモノ扱いをされています。

国内不動産投資もインデックスファンド同様、日本の個人投資家にとって当たり前のものになって欲しい。そのために、自ら「人体実験」を続けながら、啓蒙活動をこれからも続けていくつもりです。

国内不動産投資に関しては、2023年1月16日にはこちらのセミナーも開催します。

アクティブからインデックスへ、そして金融資産から実物資産へ。新しい年が始まるのをきっかけにして、資産運用の大改革も始めてみて下さい。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。