悠仁天皇への明るい展望と愛子様の幸福な人生

昨年の皇室を巡るニュースでもっとも喜ばしかったことのひとつは、悠仁様が筑波大学附属高校に合格され、順調な高校生活を送っておられることである。

学習院の高校でなく筑波大学付属高校を選んだことについてとやかくいう人がいるが、私は賢明な選択だったと思う。

学習院のような男子校で授業料も高いところより、しっかりした女生徒が多い男女共学校を選ばれたことはよかった。

学習院の現状は、皇族の学びの場として良好に機能しているとはいえない。学習院から眞子さまが国際基督教大学(ICU)に進学され、佳子さまも学習院大学に進まれたものの中途退学してICUに再入学された。なにしろ、佳子様のおられた学科は、第二外国語は中国語か韓国語だけというひどさだった。

昨年、学習院大学三回生になられた愛子さまは、入学以降3年間リモート学習のみ。登校はオリエンテーションと9月に図書館に、12月に陛下に連れられて故三笠宮殿下をしのぶイベントを見学されただけで、学生生活をまったく経験されていないだ。

悠仁親王(左)愛子内親王(右)
Wikipediaより

三人の内親王の教育環境づくりができなかった学習院に悠仁さまを預けるのは、賛成出来ないの当然だ。

お茶ノ水で成績上位だったが、筑波で苦労されているというともいわれるが、中学入試の偏差値で筑波は男子75、女子76に対してはお茶ノ水は男子50、女子72だから予想されたことである。

帝王学の習得にも秋篠宮皇嗣殿下・妃殿下が熱心に取り組まれ、幼い頃から励んでおられる(『月刊Hanada2月号』に詳しく書いた)。

皇位継承問題については、最近、皇室や宮内庁に近い人、あるいは、政治家でも事情に通じている人から、「愛子天皇待望論とかいうのがあるが、悠仁様という皇位継承予定者がおられて、(天皇・皇太子の子でないというハンディはあるにせよ)帝王教育も着々と進んでいるし、両陛下も愛子様を天皇になどと考えてもおられないのに、どうしてそんな話をマスコミなどでする人がいるのだろうか知解しがたい、誰が何の目的で言っているのだろうか」という話をよく聞く。

愛子様は幼少のころから、時間を決められて何かしろとか、何でも満遍なくするように言われるのは苦手だが、興味のあるテーマについて時間に縛られずに深く極めるのが得意なタイプであるし、両陛下はそういう長所をそのまま伸ばそうとされているようだ。だが、それは、皇族、さらには天皇の仕事と方向性が一致しないので、そんな期待をする人がいるのは、本人が気の毒だろうと思うのが普通ではないのか。

そういう性格に向いた仕事なり結婚(近頃は結婚しなくてはならないというと怒られそうだが)を追求されていくのがお幸せだと思う。

そこで、『皇室では「悠仁天皇」が既定路線である…人気投票的な「愛子天皇待望論」に強い違和感を抱くワケ 女性宮家容認なら、小室圭氏も殿下になっていた』という記事をPRESIDENTOnlineに書いた。

皇室では「悠仁天皇」が既定路線である…人気投票的な「愛子天皇待望論」に強い違和感を抱くワケ 女性宮家容認なら、小室圭氏も殿下になっていた
日本の皇室はこれからどうなっていくのか。評論家の八幡和郎さんは「悠仁さまが次世代の陛下になるのが既定路線だが、その次の世代の皇族を確保する方法を真剣に検討しなければいけない時期にある。皇位継承の潜在候補として100人程度は確保すべきだろう」という――。

関係者からは正確な記事だと感謝されているが、Yahoo!Newsに転載されたところ、ヤフコメでは馬鹿げたコメントも多かった。このアゴラと違って、いくつかのページに分割されるので、最初のほうだけ読んでコメントする人が大半だ。

私は愛子様待望論の方にも納得いただけるように、初歩から分かり安く、また予想される反論にも先回りして書いたのだが、読まずにコメントする人には無力である。

マスコミの世論調査では女性天皇を容認する声が過半数を占め、「愛子天皇待望論」というものが週刊誌などで見受けられる。しかし、秋篠宮殿下がショートリリーフを務められるかどうかは別として、皇室では悠仁親王が次世代の陛下というのが既定路線で、それを前提にすべては動いている。

皇位継承については、そもそも、現行法制における継承候補者として悠仁様がおられるのだから、ショートリリーフで秋篠宮皇嗣殿下が入られるかどうかは別として、これからどうするか議論があるのは、悠仁様に男子がなかった場合にどうするかという問題である。

現在16歳の悠仁さまが、上皇陛下が退位されたのと同じ年齢(85歳)になられるのはなんと2092年だから、悠仁様より年上の人は候補でなく、悠仁様の次の世代のひとなのである。

もちろん、たとえば、災害やテロで皇室の男性が全員おられなかったとかいうときは、その時点で健在な、女性皇族の誰かということも視野に入るかもしれない。なにしろ、現在の憲法や皇室典範は、天皇が亡くなった段階で後継有資格者がだれもおられないことの想定はしていないからなんでもありになる。

そうしたなかで、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)が、菅義偉内閣のもとで設立され、岸田内閣になってから、2021年12月22日に報告書を出した。

この会議は、小泉内閣の時に将来、皇位を継承すべき男子が不在であることを前提に設けられ、女系天皇を容認する報告を出したものの、悠仁さまの誕生で前提を失い宙に浮いた「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東京大学総長)と同じ位置づけであるが、悠仁さまの誕生と順調な成長を踏まえて検討を行い、報告がなされたので、この報告が今後の出発点になる。

そこでは、皇族が養子をとるとか、皇族女性が結婚しても本人だけ皇族として残る制度をつくってはと書かれている。

ただ、それが悠仁様に後継者がいない場合の皇位継承につながるのかとかいうことは将来の検討課題だとされている。なぜなら、悠仁様がどういう結婚をして、子供がどうなるかによって前提が根本的に変わるので、いますることが適切でないからだ。

いずれにせよ、その辺の詳細は、PRESIDENTOnlineの記事や、『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか – 地球儀を俯瞰した世界最高の政治家』(ワニブックス)を読んでいただきたい。