河野太郎・元ワクチン大臣のブログについて言っておきたいこと

こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。

令和5年1月6日、河野太郎・元ワクチン大臣のブログが公開されました。

コロナワクチンに関するデマについて
新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです。 世界の多くの国々では、ワクチン接種はリスクを大きく上回る利益を提供するとして、強く推奨されています。 日本では、コロナワクチンの接種は努力義

河野さんは前回のブログでもコロナワクチンについて書かれていて、

『運び屋』の私が『後遺症について』責任をとるなどという発言をしたことはありません。

と、「責任逃れ」とも取られかねない発言がネットで炎上していました。

で、今回のブログも読んでみたら結構言いたいことがありましたので、今回のブログについて、今僕が思うことを書いてみたいと思います。

衆議院議員 河野太郎公式サイトより

 

因果関係は永遠にわからない

ブログで河野さんはこう言っています。

これまでにワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません。

非常にわかりにくい表現ですが、言いたいことは

「きちんと因果関係が証明された事例はない」

ということでしょう。

そりゃそうです。だって、今の医学ではワクチンと副反応の因果関係を証明出来る検査は殆どないのですから。

「現代医学は進歩してるんだからもっと検査方法とか色々あるんじゃないの?」

と思われる方も多いかもしれません。

しかし正直なところ、CTもMRIもPETも血液検査も何もかもほとんど役に立ちません。残念ながら「ワクチンと副反応の因果関係を証明する検査は現実的には殆どない」のです。

まぁ、「殆どない」ということはわずかにはあるわけです。それは解剖などをして、心臓や脳の組織を「免疫染色」という方法でコロナワクチン特有の物質(スパイク蛋白)があるかないかを見る方法です(接種直後のアナフィラキシーショックなど時間経過で因果関係が証明されることもあります)。

解剖までしなくてもわかる比較的簡単に組織を取れる臓器、例えば皮膚などでは、すでに「コロナワクチン接種後副反応の皮疹部にコロナワクチン特有の物質(スパイク蛋白)が接種3ヶ月後でも存在する」と言う論文が出ています。

◆佐野栄紀特任教授らの研究チームの論文が「Journal of Cutaneous Immunology and Allergy」に掲載されました | 高知大ポータル

でも、心臓や脳の組織を採取することは簡単には出来ません。解剖というとなかなか心理的に受け入れ難い方も多く…、ワクチン接種後の急激に死亡されてしまった方のご家族が、失意と絶望の淵に立たされているときに、たとえ「解剖」という選択肢が提示されたとしても(されないこともある)その選択が出来るかと言うとかなり疑問です。

なので、やはりこうした検査は「殆ど出来ない」のが現状です。火葬場でご遺体が焼かれてしまった後はもう何も手がかりは残っていないと言っていいでしょう。

国も専門家も(おそらく河野さんも)そんなことは最初からわかっていたのです。わかっていてこう言っていたのです。

副反応による健康被害が起きた場合の補償はどうなっていますか。|Q&A|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省
健康被害が予防接種によるものであると厚生労働大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。

ちなみに、その状況で、河野元ワクチン担当大臣のこの発言(再掲)。

「これまでにワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません。」

そりゃそうですよね、だって

「ワクチンと副反応の因果関係を証明出来る検査は殆どない」

のですから。

それなのに、元大臣が何度も

「デマ」
「フェイクニュース」

などとブログで発言してしまうのは、ちょっと倫理的にも論理的にも大きな問題があると言わざるを得ないでしょう。

【参考動画】

厚労省とワクチン被害者遺族の会/新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える勉強会 福島雅典京都大学名誉教授・小島勢二名古屋大学名誉教授(2022年11月25日)@kinoshitayakuhi
厚労省とワクチン被害者遺族の会/新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える勉強会 福島雅典京都大学名誉教授・小島勢二名古屋大学名誉教授(2022年11月25日)@kinoshitayakuhi Full version

手がかりは超過死亡

では、コロナワクチンの副反応については何もわからないのでしょうか?

残念ながら答えは「ほぼそのとおり」です。だって、

「ワクチンと副反応の因果関係を証明出来る検査は殆どない」

のですから。

ですが…唯一ある手がかり…それが国全体の「超過死亡」でしょう。

超過死亡とは、「例年の死者数をもとに計算した予想死者数を超過した死者数」のことです。死因は問いません、日本人のすべての死亡数を含みます。

個々の死因や理由は問わず、結果として日本人の総死亡数がどれだけ増えてしまったか?を見る非常にアバウトな方法。そんなものしかない、ということです。

でもまさか、ワクチン接種が始まってから日本人の死亡数が増えるなんてことがあるのでしょうか?

実際はどうだったかというと、それがこちら。

信じられないことに、ワクチンを打てば打つほど、「超過死亡」が増えてしまっています…。

まさかの結果ですね。僕もこれを見た時、正直驚愕しました。

感染や重症や死亡を減らす!と言われて国民の大多数が打ったワクチン。打つほどに死亡が減ると思っていたら、逆に打つほどに死亡が増えちゃったなんて…。冗談にも程があります。

なお、新種のウイルスが流行して、死者が約5万人も発生したんだから超過死亡が増えるのは当然だ!と言う意見も根強いですが、それは間違いです。

なぜなら、そもそもコロナ死はPCR検査が陽性の死亡例を全例計上していて(他の死因で死亡しても、PCR検査が陽性ならコロナ死として計上される)、つまりかなり過剰に計上されているのですが、その過剰に計上されている状態でもこの程度です。

コロナ死が、死亡増加分(超過死亡)のほんの一部であることが分かります。

もちろん、この超過死亡の原因がワクチンだと因果関係を証明できるわけではありません。

副反応と一緒で、明確に因果関係を示すことは非常に困難です。現実社会で発生する社会現象には無数の交絡因子(バイアス)が存在し、どんなにバイアスを除去して分析しても、結論は2分し両論対立して終わり、というのが通例だからです。

そうは言ってもこれほどの死亡増加は前代未聞の出来事です。東日本大震災を遥かに凌ぐ、戦後最大の超過死亡。未曾有の大惨事です。

それなのに、この国の政府も新聞もテレビもこれをほとんど報道しません。

超過死亡はすでに

「触れてはいけない日本の不都合な真実」

なのかもしれません。