ル・トゥー・パリ@シュヴァル・ブラン・パリ(パリ1区)

“LVドリーム”で夢の世界に浸った後は、通りを渡って、もう一つの夢空間へ。

シュヴァル・ブラン・パリのファインダイニング”ル・トゥー•パリ”でお昼ご飯。

美術館だと思ってる素晴らしいロビーで内装アートとまだ残ってたノエルデコを愛でてから上階へ。

シュヴァル・ブランやイケム、LVMH系シャンパーニュのコレクションと飾られてたマキシムのガレット・デ・ロワを拝んでから、パリを一望する(左岸なのが、個人的にポイント高い♪)テーブルに着席。

シャンパーニュ(もちろんM&C)にスミレを香らせたカクテルと、M&C15で、LVMHに乾杯!アミューズは、ふんわりフロマージュが香るケークサレ。お友達、フロマージュ苦手なので、嬉々として2個目にも手を伸ばす。

フラメンキッシュ(タルトフランベ)のアルノー・ドンケル風。サックサクの軽やかフイタージュ(これはマキシムルセットね)にブリアサヴァランの濃厚クリームとベーコン、そして黒トリュフ。メラノならではの模様が美しく芳しい。

アニョーのデクリネゾンは、どの部位もそれぞれにピッタリの加熱法で、おいしー!パリでのアルノーのテーマは”ソース”なので、主菜の魚介は全て、7種から好きなソースを選べる。(ちなみにアニョー以外は、焼き方も選べる。)ピーマン入りスパイシーなディアブレをチョイス。これもまたきっちり美味。さすがアルノー!

つけ合わせは、大好物のポム・ドフィーヌ。といっても、アルノー風。とろりとしたほぼピュレのじゃがいもをチュロス型で抜いてごく軽い揚げ焼きにしててかりっとさっくり、そしてとろり。たまらない~。

友達は、マスをグリエで。

そばのテーブルは、鶏をタイム風味ロティール。プレゼンがかわいい。今度、これ食べたいな。

そして待望、マキシム・フレデリックのデセール。マキシムのデセールを、一年以上食べてなかった。数週間前からあまりに彼の美味が恋しくてたまらなくなり、今日のランチに至った。

ガレットも気になるけど、ここはやっぱりデセールで。3つ4つオーダーしたいところだけど、我慢我慢。吟味の末、一番デセールっぽいノワゼット・スフレ&レモンソルベ・ヌガティーヌをチョイス。

極薄のタルト生地は、サクサクサクリと音を立てて崩れ、同時に、雪みたいにふわふわなスフレと、ごく軽いノワゼットプラリネクリームと見事に溶け合う。一口食べ、あまりのおいしさに、目が開き、鼻腔も開く。おいしい、という言葉では足りない。フランス語なら、この感動を表現する言葉が3~4つすぐ出てくるのにね。

カミーユがアルザスに、ローランが天国に行ってしまったパリにおいて、彼の弟子だったマキシムは、自分の好みに一番しっくり響いてくるパティシエ。シュヴァル・ブラン・パリに引き抜かれてからなかなか味わう機会がなくてストレス。もっともっと、ここに来られるといいのだけどなぁ。

お友達はガレット・デ・ロワ。マキシムはノルマンディ出身、なのでりんご入り。

夢心地でため息つきながら、笑顔のゲストで満席のレストランを眺めていると、おぉ、入口にいるのは、わーウィルフリード!

ウィルフリードは、ヤニック時代のレストラン「ル・ムーリス」でディレクターしていて、本当にかわいがってもらってた。サーヴィスマンとして超一流で、個人的人生最高のレストランディレクター・ベスト5に入ってる。10年くらい前にボルドーに行っちゃって、その後しばらくしてからクーシュヴェルのシュヴァル・ブランの、なんとホテルディレクターになってた。ひと月くらい前に、クーシュヴェルからパリへ栄転したというのニュースで見てたので、会えるといいな、って思いながら来た。

夢中で再会を喜び、黄金期ル・ムーリスの懐かしい話題で大盛り上がり。アルノーも横にいてしっかりおしゃべりしたいのに、今日はどうしたってウィルフリードが優先。

おしゃべり後、このホテル初訪問の友人のために、ガストロノミーの”プレニチュード”やサロンを自ら案内してくれる。ドアを開けるのはもちろんのこと、階段では腕を貸してくれ、相変わらず完璧なサーヴィスマンシップ♪

料理、デセール、サーヴィス、雰囲気、景色、同席者、全て文句なしの、夢のように幸せな午後。

午前中は”LVドリーム”、午後は”トゥー・パリ”で、LVMHの魅力にとっぷり浸かった1日。

左:シュヴァル・ブラン・パリ 右:LV DreamやってるLV本社
どちらも夢を見せてくれる空間


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2023年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。