岸田文雄首相は、2月8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2000億円を超える支援を表明する方向で調整に入ったそうですが、この支援への報道のしかたに疑問の声が多く上がっています。
■
一流写真週刊誌・FLASHは、「これも含め、海外バラマキ合計18兆円、2022年に、岸田首相が表明した、おもな海外投資額だ」と岸田首相に噛みつきました。
岸田首相、フィリピンに年間2000億円支援へ 1兆円防衛費増税の一方で海外バラマキ18兆円超に国民の怒り沸騰#SmartFLASH #岸田首相 #フィリピン #2000億円https://t.co/k59wm8TQFM
— SmartFLASH (@info_smafla) February 3, 2023
国民の怒りの声が湧いているそうです。
しかし、バラマキというのはちょっと無理がある気がします。ODAの有償資金協力ならお金を貸すのであって、そんな気前のいい話ではないのではないかという疑問の声があちこちで上がっています。
というかフィリピンに年間2千億円ってODAで有償資金協力ならお金を貸す話なんだが・・・無償資金協力という報道は無いような。
— JSF (@rockfish31) February 2, 2023
こういったODAにはしっかりとした意図があります。
フィリピンに5年間で 2000億円の援助 :ODA(政府開発援助)を行うことが取り出されているようですが、ODAがどのようなものか理解されているポヨ?
資料的にはキレイごとが書かれていますが、フィリピンにしてもインドにしても日本は意図があって協力することにしている筈ポヨhttps://t.co/Y5KKSaGDsb https://t.co/dx8ngSVumZ pic.twitter.com/ghzZySRF24— 情報収集専用垢なので基本呟かないでも呟くときは発作が起きたと思ってくださいポヨ (@Johoshushupopo) February 3, 2023
日本のODAは逆に今が正念場だという指摘もあります。
ここで取り上げられた18兆円という中身は、
- 今後5年間でインドへ5兆円を投資する目標を掲げると表明
- 途上国のインフラ投資を目的に、今後5年間で650億ドル(約8兆8000億円)以上の拠出を目指す考えを表明
- アフリカ開発の支援を議論する「第8回アフリカ開発会議(TICAD8)」の基調講演で、2023~2025年の3年間で官民合わせて総額300億ドル(約4兆1000億円)規模の資金をアフリカ支援に投じると表明
ということで、あくまで官民合わせた投資額の目標の表明なので、この総額が18兆円だからといって、これで「国民の怒り沸騰」とするのはちょっと無理筋な気がします。
■
しかし、元になった記事である共同通信の報道も、ODAということに一切触れていないので、悪意を感じてしまいます。これだけの報道では確かに「海外バラマキ」と受け取る人が現れても不思議ではありません。
岸田文雄首相は、8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2千億円を超える支援を表明する方向で調整に入った。複数の政府関係者が2日明らかにした。
↓の東京新聞が正確に報道していますが、「ODA(政府開発援助)=円借款」なので、「フィリピンから将来的に円を返してもらうことを前提とした契約」です。
SNJさんのまとめの元記事を見たら、色々な意味でやらかす共同通信なので、そこに引っ張られた感じかもしれません。https://t.co/iZnvol472G
— Freeman (@freeobligation) February 3, 2023
貿易赤字が常態化することは避けられないので、経常黒字の獲得はがんばってほしいものです。
■
また、ODAをもっとうまく使えという指摘もあります。
連続強盗事件の犯人はフィリピンの収容所でスマホで犯罪を続け、優雅な生活を送っている。犯罪者の避難先になっているいい加減さだ。日本は、フィリピンに年間1兆5千億円超のODAを行い、この国の援助額の7割を占めている。ODA削減も含め、日本政府はフィリピンに犯罪者対策の圧力をかけるべきである。 https://t.co/XXynyTHVci
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) January 29, 2023
岸田首相も揚げ足をとられないようにがんばってほしいです。翔太郎くんの件とかで。