大川隆法総裁死去でどうなる「幸福の科学」

ガーシー議員の陳謝が設定されている3月8日に本人は本当に国会に現れるのでしょうか?私はないと思っています。先週、本人が帰る意思を示したというのも真意ではないし、警察に協力するというのも本心ではないと思っています。暴露系をやる人の心理は裏でこそこそするのが活動の主軸。陽の当たるところで注目を受けるのは眩しすぎて全く得手ではありません。彼の心理状況は揺れに揺れているでしょう。ですが、いつまでも逃げられないことも事実です。国会に来たら来たでも見ものです。さてどうなることやら。

では今週のつぶやきをお送りします。

今一つ盛り上がらない投資環境

何故なのでしょうか?最近、株を買いたいと一つも思わないのです。売る一方です。多分、枠組みを超えた成長が期待できる産業や企業がないのだと思います。テスラが今週一時、失望感を誘ったのは「テスラ投資家ディ」で新モデルを見せなかったためです。これなどもどこかのタイミングで出てくるはずなのに投資家はとても短気なのです。FEDの金利の上げ下げのコメントに一喜一憂するのも同じです。

その中で特に嫌な話と言えば銀行持ち株会社シルバーゲート社の行方でしょう。同社が傾注する仮想通貨関連事業が不振で決算を出せず、銀行業として必要な自己資本比率5%の攻防のようです。その為、会計士が精査している模様ですが、最悪のケース、つまり倒産もあり得る状態です。木曜日に株価は1日にして58%下落、金曜日は乱高下していました。これを受けてビットコインが急落するなど仮想通貨関連は軟調ですが、これもFTX社破綻が引き金で連鎖という点ではこれぞ本当のブロックチェーンではないか、という状況です。

経済全体を俯瞰するとポストコロナが一巡し、一時的に「非日常」的生活が続いたものの本当の日常を取り戻しつつある中、「宴のあと」のような怠惰な空気があらゆるところに漂っているというのが実感です。産業のリーディングセクターがない、とも言えます。もちろん、その理由はアメリカなどの金融政策が将来への夢や希望に蓋をしてしまっていることが主因です。影響力ある人が自分のポジショントークをすることで人々は昔とははるかに違う次元で振り回されるともいえます。

G20外相会議を欠席させた国会という世界

国会とは実に保守的なところであります。前例を打ち破れないほど柔軟性がないのです。なぜすべての閣僚は国会審議のためにどれだけ重要なことも後回しにしなくてはいけないのか、日本的事情は他国に理解されるのか、不思議で仕方がありません。インドはメンツをつぶされたと思っています。その謝罪も含め、岸田首相がインドに3月19-21日の日程で行きます。個人的にはその前後でウクライナに行く気がします。

林外相は国会の呪縛が解かれた後、すぐにインドに飛び、様々なフォローアップ会談とクワッド外相会合に臨みました。なぜ、インドに足を向けて寝られないのか、それは次の世界の中心となる公算が高いからです。経済成長ぶりは中国を凌駕し、GDPでは英国を抜き、世界5位まで上がってきています。インド人も中国人同様、世界に散らばり、各地で活躍の場を広げつつあります。私もインド系の方とのビジネス上のミーティングは増えています。(インドで仕事するのではなく、担当がインド系だという意味です。)

つまり、国会の立場は尊重しますが、やはりバランスというものは必要です。議員にとって国会とは教会のようなもの、つまり威厳があり、アンチャッチャブルな世界で大臣ごときが何を言う、というぐらいのものなのでしょう。そこまで持ち上げながらも「牛歩戦術」をしたれいわ新選組の二人の女性議員が厳重注意を受けました。当の本人たちは「なんで注意されなきゃいけないの?」と開き直りのようですが。冒頭のガーシー氏の件も含め、堅苦しいことを言う割に奇妙にとぼけたところもある、国会って本当に不思議で違う世界なのだと思います。

大川隆法総裁死去でどうなる「幸福の科学」

幸福の科学の創始者、総裁である大川隆法氏がお亡くなりになりました。66歳ですから本人も想定外、当然ながら幸福の科学をどうやって存続させるのか、という問題にも直面するのでしょう。私は内部がどうなっているのか、全く興味はないので後継者が現れるのか、知見も情報もありません。が、「幸福の科学」は思想が保守的で政治的には割と都合がよかった団体であったことは確かです。ただ、大川氏が目指した政界進出、「幸福実現党」は実現していません。

大川隆法総裁 幸福の科学 公式サイトより

メディアでは大川氏が残した個人遺産問題で盛り上がっているようですが、子供が5人いて仲たがいしているという話を聞いて思い出したのがオウム真理教の麻原彰晃が亡くなった際、その遺骨を誰が引き取るのかで揉めに揉めたことがありました。骨肉の争いなのでしょう。宗教家の子供でさえそんなものなのです。チープです。宗教家と言えば創価学会の池田大作氏も95歳ですから大きな変化が起こりえる時期にあります。

宗教に走る人は心に一定の不安を抱えることで入信するケースが多いのだと思います。そして一度入ると信者から強い影響を受け続け、一種のマインドコントロール下になります。旧統一教会問題でこれが話題になりましたが、大なり小なりマインドコントロールはどこにでもあります。会社組織などはそれが多く、社歌に朝礼はその好例。そういえば日本電産で社員が大量退職という報道で永守氏の経営理念書「挑戦への道」が話題になっていましたが、これも思想教育です。せっかくたくさんの知恵があるはずなのに同じ色に染めてしまうのです。その声の主がいなくなれば当然グリップは効かなくなるのも世の常であります。

後記
カナダで時を同じくして2つの巨大リーテール、百貨店のノードストロームと生活雑貨のベッドバス&ビヨンドが破産保護法の申請となり両社ともカナダ撤退になります。2014年にカナダ進出後、一度も黒字にならなかったノードストロームカナダですが、アメリカ本体は健全でこの撤退をむしろ好感して株価は堅調です。しかし、大きな箱もの(スペース)と雇用者を維持してきた両社だけに人々の消費行動の変化と事業のかじ取りの難しさを改めて感じます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年3月4日の記事より転載させていただきました。